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耳も鼻も頬もあかくした子供の群れが、束子たわしでこするようにキュウキュウ厭な音をたてて、氷の上をすべっていた。
林芙美子 / 新版 放浪記 ページ位置:56% 作品を確認(青空文庫)
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スケート
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前後の文章を含んだ引用
......がたべたい。荒れてザラザラした唇には、上野の風は痛すぎる。子供のスケート遊びを見ていると、妙に切ぱ詰った思いになって涙が出た。どっかへ石をぶっつけてやりたいな。耳も鼻も頬もあかくした子供の群れが、束子たわしでこするようにキュウキュウ厭な音をたてて、氷の上をすべっていた。――一縷いちるの望みを抱いて百瀬さんの家へ行ってみる。留守なり。知った家へ来て、寒い風に当る事は、腹がへって苦しいことだ。留守居の爺さんに断って家へ入れて貰う。古呆け......
単語の意味
頬(ほお・ほほ)
・・・顔の一部。顔の両脇で、口の真横にあるやわらかい部分。ほっぺ。ほっぺた。
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