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配電盤、砂場、貯水池、ゴルフ・コース、セーターの綻び、そしてピンボール……どこまで行けばいいのだろうと思う。脈絡のないバラバラのカードを抱えたまま僕は途方に暮れていた。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 ページ位置:82% 作品を確認(amazon)
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冴えない、ぱっとしない人生
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前後の文章を含んだ引用
......ヘッドライトの光を睨んだまま煙草を吸った。僕は無意識に指先で膝をパタパタと叩き続けた。そして時折タクシーのドアを押しあけて逃げ出してしまいたい衝動に駆られた。 配電盤、砂場、貯水池、ゴルフ・コース、セーターの綻び、そしてピンボール……どこまで行けばいいのだろうと思う。脈絡のないバラバラのカードを抱えたまま僕は途方に暮れていた。たまらなく部屋に帰りたかった。一刻も早く風呂に入り、ビールを飲み、煙草とカントを持って暖かいベッドに潜り込みたかった。 何故僕は闇の中を走り続けるのだろう? 五......
単語の意味
綻びる(ほころびる)
暮れる(くれる)
暮れる・・・1.太陽が沈んで外が暗くなる。⇔明ける。
2.季節や年が終わる。「年が暮れる」
3.同じことの繰り返しや、同じ気持ちのままで時間を過ごす。「涙に暮れる」
昏れる・眩れる・暗れる・闇れる、とも書く。
2.季節や年が終わる。「年が暮れる」
3.同じことの繰り返しや、同じ気持ちのままで時間を過ごす。「涙に暮れる」
昏れる・眩れる・暗れる・闇れる、とも書く。
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年老いて死を迎えようとした時に一体僕に何が残っているのだろうと考えるとひどく怖い。僕を焼いた後には骨ひとつ残りはすまい。《…略…》祖母が死んだ夜、僕がまず最初にしたことは、腕を伸ばして彼女の瞼をそっと閉じてやることだった。僕が瞼を下ろすと同時に、彼女が79年間抱き続けた夢はまるで舗道に落ちた夏の通り雨のように静かに消え去り、後には何ひとつ残らなかった。
村上春樹「風の歌を聴け (講談社文庫)」に収録 amazon
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私たちは不完全な世界に住んでいる不完全な人間なのです。定規で長さを測ったり分度器で角度を測ったりして銀行預金みたいにコチコチと生きているわけではないのです。
村上 春樹 / ノルウェイの森 下 amazon
いつかまた、悪い時期が来るだろうし、楽になった分、反動とか落ち込みもひどいだろう。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
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