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このひととぼんやりそれを見ていたら、突如、変な感じがしてきた。外国に来ているような。すごくひとりぼっちなような。  むかし捨て猫を見てしまって、拾えないから見ない振りをして、夜中までその鳴き声が耳から抜けなかったこと。誰かが転校して、翌日に知らない子がその机にすわっちゃったとき。つきあっていた人と別れて、泣かなかったけれど、夕方の帰り道が真っ暗に見えたこと。今なら、電話すればまた会えるけど、それは無駄だけれど、そうしたくて、道がどんどん夜に侵されていって、苦しかった。  そんなことばかり思い出した。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 ページ位置:76% 作品を確認(amazon)
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孤独・一人ぼっち
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前後の文章を含んだ引用
......てきていた。風が強くて、テーブルの上の豆のからが飛んでいきそうだった。それでも空は、ゆっくりと濃さをますだけで、相変わらず透明すぎるほどの青さをたたえていた。 このひととぼんやりそれを見ていたら、突如、変な感じがしてきた。外国に来ているような。すごくひとりぼっちなような。 むかし捨て猫を見てしまって、拾えないから見ない振りをして、夜中までその鳴き声が耳から抜けなかったこと。誰かが転校して、翌日に知らない子がその机にすわっちゃったとき。つきあっていた人と別れて、泣かなかったけれど、夕方の帰り道が真っ暗に見えたこと。今なら、電話すればまた会えるけど、それは無駄だけれど、そうしたくて、道がどんどん夜に侵されていって、苦しかった。 そんなことばかり思い出した。 ああ、はやく竜一郎の部屋に行こう。私は思った。あのなにもない暖かいところ。いつも等しく明るい部屋の中で待っている彼のところに。「ところで、」 私は言った。「行......
単語の意味
猫(ねこ)
・・・1.ネコ科の哺乳動物の総称。形は虎に似て、柔軟な体や出入り自由な爪、鋭い感覚のひげを足を持つ。暖かいところを好み、鼠(ねずみ)をよく捕るとされる。
2.(猫の皮を胴張りに用いるところから)三味線の異称。
3.猫車(ねこぐるま)の略。
4.猫火鉢(ねこひばち)の略。
5.ふいごの内側についていて、空気の出る孔をふさぐ革。
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孤独・一人ぼっちの表現・描写・類語(寂しい・喪失感のカテゴリ)の一覧 ランダム5
絃に背を向けられると月の裏側にいるみたいに冷える。
綿矢 りさ「しょうがの味は熱い (文春文庫)」に収録 amazon
一人でいると張合いがない
林芙美子 / 新版 放浪記
一人ぽつんと島のように離れている
小林 多喜二 / 蟹工船 一九二八・三・一五 amazon
孤独が、風のように鵜飼の心を過ぎ去った。
檀一雄 / 花筐「花筐・光る道 他四編」に収録 amazon
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