日本語表現インフォ：ピンとくる言葉や描写が見つかる辞典

ドラマで見る鮮やかな赤い血しぶきの跡と違い、実際の飛沫はその血を流した者の痛みの強さとは比例せず、乾いてただ点々と、海老茶色に変色して散っている。

綿矢りさ / 仲良くしようか「勝手にふるえてろ (文春文庫)」に収録　ページ位置：63%　作品を確認（amazon）

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......する音だった。泥土とまばらに生えた雑草、右側には鬱蒼とした森、左側には窓という窓を開け放った巨大な洋館がある。洋館の壁には泥の飛沫と乾いた血の飛沫が飛んでいる。ドラマで見る鮮やかな赤い血しぶきの跡と違い、実際の飛沫はその血を流した者の痛みの強さとは比例せず、乾いてただ点々と、海老茶色に変色して散っている。　犬を放て、と洋館の内部から命令が下され、まだ姿は見えないがどこかで百匹ほどの犬が放たれたものものしい気配が、乾いた風を通して伝わってくる。　私はぬかるみで泥を......

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血痕の表現・描写・類語（骨・内臓のカテゴリ）の一覧ランダム５

むきだしの中庭に白い光が容赦なく照りつけている。真昼の白い光の中で地面に黒い染みがはっきり残っていた。片眼の男の死体から流れた血である。

遠藤周作「沈黙（新潮文庫）」に収録　amazon関連カテ出血・流血血痕

血痕でもついたのがそのまま斑（まだら）に錆（さ）びたかのような十手

吉川英治 / 雲霧閻魔帳

車のフロント・ガラスの内側に赤い血糊がハイビスカスの花のように散っていた。

阿刀田高 / 甲虫の遁走曲（フーガ）「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録　amazon関連カテ交通事故血痕

流れ出た血が船津橋のたもとへくねくねと這っていく

宮本輝 / 泥の河「螢川・泥の河（新潮文庫）」に収録　amazon関連カテ出血・流血血痕

（刀で切りつけた死体を穴まで）引きずっていった。その穴まで血潮が、まるで一刷毛、線を描いたように地面に長く続いていた。

遠藤周作「沈黙（新潮文庫）」に収録　amazon関連カテ出血・流血血痕