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ただいっしょに部屋にいただけなのに、明らかに流れる時間の早さがいまと以前では変わっている。以前は二人でぽりぽりと食べつくしてきた時間を、まるで急に僕一人で全部食べなきゃいけなくなったみたいに、もてあましている。
綿矢 りさ / 自然に、とてもスムーズに「しょうがの味は熱い (文春文庫)」に収録 ページ位置:68% 作品を確認(amazon)
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暇・時間を持て余す
孤独・一人ぼっち
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前後の文章を含んだ引用
......望んでいない。 奈世がいなくなってからは、やたらとテレビを見る。夜が長くなったからだ。なぜだろう、奈世とはあまり会話をしたり、二人でなにかしたりしなかったのに。ただいっしょに部屋にいただけなのに、明らかに流れる時間の早さがいまと以前では変わっている。以前は二人でぽりぽりと食べつくしてきた時間を、まるで急に僕一人で全部食べなきゃいけなくなったみたいに、もてあましている。業務内容うんぬんより、毎朝起きて会社に行くこと、結局それが一番難しい。朝には食べたい朝ごはんのために起きる。バターをぬった食パンに、フライパンで焼いたハムを乗せ......
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何をしていいのか見当もつかない。いつまでも壁を睨んでるわけにもいくまい、と自分に言いきかせる。それでも駄目だった。卒論の指導教授がうまいことを言う。文章はいい、論旨も明確だ、だがテーマがない、と。実にそんな具合だった。久し振りに一人になってみると、自分自身をどう扱えばいいのかが上手く把めなかった。《…略…》まるで捜し物の最中に、何を捜していたのかを忘れてしまったような気分だった。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
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孤独・一人ぼっちの表現・描写・類語(寂しい・喪失感のカテゴリ)の一覧 ランダム5
荒寥と腕を拱(こまね)いて黒い風のように心身を吹きぬける孤独に耐えた。
円地 文子 / 女坂 amazon
孤独になったとしても、自分を欺いて空しく待っているよりはよっぽどまし
福永 武彦 / 草の花 amazon
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「寂しい・喪失感」カテゴリからランダム5
夫の戻って来ないベッドで、だんだん雪に閉ざされてゆく家の中でひとり、ランプの明かりの中でどんどん思考に追い詰められてゆく彼女の夜中を考えた。
吉本ばなな / サンクチュアリ「うたかた/サンクチュアリ」に収録 amazon
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宿屋きめずに草鞋 を脱ぐ
有島武郎 / 或る女
永遠はどこまでも伸びる一本の長い棒だ。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
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