瓦斯体のような若芽に煙っていた欅や楢の緑にももう初夏らしい落ちつきがあった。
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晩春・初夏
芽・新芽・若芽
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単語の意味
煙る・烟る(けむる・けぶる)
ガス体・瓦斯体(がすたい)
初夏(しょか・はつなつ)
煙る・烟る・・・霧やかすみなどで辺りがぼやける。白煙や色のある煙がもくもくと出て、辺り一面に広がる様子。
ガス体・瓦斯体・・・気体のこと。
初夏・・・ 夏の初め。陰暦4月の異名。孟夏(もうか)。首夏(しゅか)。
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晩春・初夏の表現・描写・類語(春のカテゴリ)の一覧 ランダム5
目に映る何もかもが初夏のまぶしさをたたえて、勢いづいていた。人々のむきだしの腕、風に揺れる木々の緑。葉先に光る陽光、空気の 匂い、何もかもがもう止まらない。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
松も新しい緑にかわって、草も木も青い焔 のようになった。
有島武郎 / 或る女
梶井基次郎 / 路上
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芽・新芽・若芽の表現・描写・類語(植物のカテゴリ)の一覧 ランダム5
四分ほどに延びた芽生えが、弱々しく、ひょろり、ひょろりと並んでいる。
宮本百合子 / 伸子
芽というものが持つ小さい逞 しいいのちは、かの女の愛感を牽 いた。
岡本かの子 / 母子叙情
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「春」カテゴリからランダム5
なんという美妙な美しい色だ。冬はあすこまで遠のいて行ったのだ。そう思うと、不幸を突き抜けて幸福に出あった人のみが感ずる、あの過去に対する寛大な思い出が、ゆるやかに浜に立つ人の胸に流れこむ。
有島武郎 / 生まれいずる悩み
彼女の視線が宙をふらつき、何を追っているのかと思えば、風で散った桜の花弁が舞い、落下する経路を眺めているのだと分かる。遊泳し、舞い落ちるそれは最終的に三人の中間あたりの地面に落ち、それぞれの視線がそこに集まった。
伊坂 幸太郎 / アイネクライネナハトムジーク amazon
「夏」カテゴリからランダム5
(雨季)雨はシャワーのように機械的に連続して降り、ぴたりと 止み、また不意に、 栓 をひねったように落ちて来た。そうして幾日も幾日も降った。
大岡 昇平「野火(新潮文庫)」に収録 amazon
「植物」カテゴリからランダム5
くさむらが風の通り跡を印して穂先を倒し、けもののように動いていた。及川隆一の視線が、その獣の背中の毛のようにきらめく雑草の拡がりから、何か不可解な動揺を、彼の脳髄につたえる。草むらは次々と穂先をひるがえして、波を送る。
野間 宏 / 崩解感覚「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
燃えるような彼岸花が咲いていた
浅田次郎 / 伽羅「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 amazon
黄楊(つげ)の木の二三本に霰のようなこまかい白い花がいっぱいに咲いている。
田村 俊子 / 木乃伊の口紅 amazon
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