君は肺病の茶碗を使うのが平気なのかい。咳をするたびにバイキンはたくさん飛んでいるし。――平気なんだったら衛生の観念が乏しいんだし、友達甲斐 にこらえているんだったら子供みたいな感傷主義に過ぎないと思うな
梶井基次郎 / 冬の日 ページ位置:81% 作品を確認(青空文庫)
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憐れ・同情・かわいそう
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前後の文章を含んだ引用
......くらでも茶を飲んだ。が、へいぜい自分の使っている茶碗 でしきりに茶を飲む折田を見ると、そのたび彼は心が話からそれる。その拘泥がだんだん重く堯にのしかかって来た。 「君は肺病の茶碗を使うのが平気なのかい。咳をするたびにバイキンはたくさん飛んでいるし。――平気なんだったら衛生の観念が乏しいんだし、友達甲斐 にこらえているんだったら子供みたいな感傷主義に過ぎないと思うな――僕はそう思う」 言ってしまって堯は、なぜこんないやなことを言ったのかと思った。折田は目を一度ぎろとさせたまま黙っていた。 「しばらく誰も来なかったかい」 「しば......
単語の意味
感傷(かんしょう)
感傷・・・心を痛めること。心が感じやすく、傷つきやすいこと。
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吉本ばなな / サンクチュアリ「うたかた/サンクチュアリ」に収録 amazon
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