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城戸は敢えて、でも、彼は気があるでしょう? と、余計なことは言わなかった。その間の悪い沈黙のせいで、美涼は、元の会話に後戻りした。
平野啓一郎「ある男」に収録 ページ位置:41% 作品を確認(amazon)
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黙る・沈黙
言葉を飲み込む・言いかけてやめる
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前後の文章を含んだ引用
......と、「……彼は美涼さんの……」と尋ねかけた。 美涼は、最後まで聞く前に、口をへの字にして、「よく言われるんですけど、そういうんじゃないんです。」 と否定した。 城戸は敢えて、でも、彼は気があるでしょう? と、余計なことは言わなかった。その間の悪い沈黙のせいで、美涼は、元の会話に後戻りした。蒸し返すと言うより、自分の立場をはっきりさせたがっている様子だった。「最近のヘイトスピーチとか、最低ですよね。なんかもう、気持ち悪すぎて。」 城戸は、大変ですね......
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黙る・沈黙の表現・描写・類語(声・口調のカテゴリ)の一覧 ランダム5
もの静かで能弁な沈黙だった。僕はそれまで、沈黙というのはただじっとだまっているだけのことだと思っていた。《…略…》変な言い方だとは思うけれど、耳を澄ませれば彼の頭が最高速度で回転している音が聞こえそうだった。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(下) amazon
彼は堅く口を結んだまま、何も言葉を発しなかった。
平野啓一郎「ある男」に収録 amazon
むっつり黙りこんだ。
宮本百合子 / 伸子
貝が蓋をしたように、ぴたりと黙ったりした。
林 芙美子 / 泣虫小僧 amazon
雪見はしばらく彼女と沈黙を共有し、それから重い口を開いた。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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言葉を飲み込む・言いかけてやめるの表現・描写・類語(言葉を交わすのカテゴリ)の一覧 ランダム5
何かを言おうとした。今、人に言葉というものが生まれる、その瞬間のような新鮮な表情だった。
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
何か意見を言おうとしたが、思い直してやめた。その意見は口にされないまま、もとあった場所にひっそりと沈み込んでいった。どこだかわからないが、深くて暗いところだ。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
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「声・口調」カテゴリからランダム5
声はテレビ漫画のロボットの音声によく似ている。音節の一つ一つを区切って発音するような、どこか鼻声のような……。
阿刀田 高 / 甲虫の遁走曲(フーガ)「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録 amazon
気の短い父が癇癪をおこして噛みつくようにいう。
中 勘助 / 銀の匙 amazon
「言葉を交わす」カテゴリからランダム5
「君、今さ。」世間話の途中で、ふいに思い出したように宗太郎が言った。
吉本 ばなな / キッチン「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
(朝の挨拶)「おい、朝めしがまだだが貰えるかい」こんな風に挨拶よりも先に、信行がいう。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
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