窓からは線路に沿った家々の内部 が見えた。破屋 というのではないが、とりわけて見ようというような立派な家では勿論 なかった。しかし人の家の内部というものにはなにか心惹 かれる風情 といったようなものが感じられる。
梶井基次郎 / 路上 ページ位置:16% 作品を確認(青空文庫)
この表現が分類されたカテゴリ
車窓からの風景
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......です。往来を走っているのは割合い少いものですが、など車掌は言っていた。汽車のように枕木の上にレールが並べてあって、踏切などをつけた、電車だけの道なのであった。 窓からは線路に沿った家々の内部 が見えた。破屋 というのではないが、とりわけて見ようというような立派な家では勿論 なかった。しかし人の家の内部というものにはなにか心惹 かれる風情 といったようなものが感じられる。窓から外を眺め勝ちな自分は、ある日その沿道に二本のうつぎを見つけた。 自分は中学の時使った粗末な検索表と首っ引で、その時分家の近くの原っぱや雑木林へ卯 の花を捜し......
単語の意味
風情(ふぜい)
沿う・添う・副う(そう)
風情・・・自然とかもし出される(いい)雰囲気。その場の風景から自然と感じられる、なんとなく上品で美しい雰囲気。趣(おもむき)。味わい。「風」も「情」も「趣(おもむき)」を意味する字。
沿う・添う・副う・・・1.(「沿う」と書いて)長い線状のものの近くを離れずに平行に進む。つたっていく。
2.(「沿う」「添う」「副う」と書いて)期待されるところから外れない状態を保つ。ある基準から離れないようにする。
2.(「沿う」「添う」「副う」と書いて)期待されるところから外れない状態を保つ。ある基準から離れないようにする。
ここに意味を表示
車窓からの風景の表現・描写・類語(地上・陸地のカテゴリ)の一覧 ランダム5
信号の青い灯は見る間に近づいてきて、フロントガラスの右側からサイドウインドウに移った、と思う間もなく一瞬のうちに消えていく。
重松 清「流星ワゴン (講談社文庫)」に収録 amazon
車窓の外を眺めていた。のっぺりとした平板な土地に、これという特徴のない建物が、どこまでも際限なく立ち並んでいる。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
星のように流れていく景色
朝井 リョウ / もういちど生まれる「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
「地上・陸地」カテゴリからランダム5
灰色に蜿蜒 と続いた山壁
林芙美子 / 新版 放浪記
「乗り物」カテゴリからランダム5
オートバイが、猛禽類に似た鋭い叫びを残して通り過ぎる
辻井 喬 / 暗夜遍歴 amazon
しばらく続いた殺風景のあと、遠くに富士山が見えてきた
平野啓一郎「ある男」に収録 amazon
黒い貝殻のように光る自動車の窓
三島 由紀夫 / 午後の曳航 amazon
同じカテゴリの表現一覧
地上・陸地 の表現の一覧
乗り物 の表現の一覧
風景表現 大カテゴリ