湾の一角から長く突き出た造りぞこねの防波堤は大蛇 の亡骸 のようなまっ黒い姿を遠く海の面に横たえて、夜目にも白く見える波濤 の牙 が、小休 みもなくその胴腹に噛 いかかっている。
有島武郎 / 生まれいずる悩み ページ位置:30% 作品を確認(青空文庫)
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土手・堤防
波
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前後の文章を含んだ引用
......。 君を思い出すにつけて、私の頭にすぐ浮かび出て来るのは、なんと言ってもさびしく物すさまじい北海道の冬の光景だ。 大蛇 の亡骸 のようなまっ黒い姿を遠く海の面に横たえて、夜目にも白く見える波濤 の牙 が、小休 みもなくその胴腹に噛 いかかっている。砂浜に繁 われた百艘 近い大和船は、舳 を沖のほうへ向けて、互いにしがみつきながら、長い帆柱を左右前後に振り立てている。そのそばに、さまざまの漁具と弁当のお櫃 とを持っ......
五
長い冬の夜はまだ明けない。雷電峠と反対の湾の一角から長く突き出た造りぞこねの防波堤は単語の意味
波濤・波涛(はとう)
姿・形・容・態・躰・體・軆・骵(すがた)
夜目・夜眼(よめ)
波濤・波涛・・・大きな波。高い波。
姿・形・容・態・躰・體・軆・骵・・・1.身体の形。からだつき。人のからだの格好。衣服をつけた外見のようす。
2.身なり。容姿。
3.目に見える、人の形。人の存在。
4.物の、それ自体の形。物一つ一つの全体的な印象。
5.物事のありさまや状態。事の内容を示す様相。
以下の文字は訓読みで、「すがた」と読める。
[形・容・態・躰・軆・體・骵]
2.身なり。容姿。
3.目に見える、人の形。人の存在。
4.物の、それ自体の形。物一つ一つの全体的な印象。
5.物事のありさまや状態。事の内容を示す様相。
以下の文字は訓読みで、「すがた」と読める。
[形・容・態・躰・軆・體・骵]
夜目・夜眼・・・夜、暗い中でものを見ること。また、夜、ものを見る目。
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堤の上を冷たい風が吹いて行く。
林芙美子 / 新版 放浪記
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波の牙が間歇的に仄白く闇の中に出没する
福永 武彦 / 草の花 amazon
清らかな白波に月光がきらめき、月の中のうさぎが波間を走るかのように見える
白洲 正子 / 能の物語 amazon
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海の上はただ狂い暴 れる風と雪と波ばかりだ。縦横に吹きまく風が、思いのままに海をひっぱたくので、つるし上げられるように高まった三角波が互いに競って取っ組み合うと、取っ組み合っただけの波はたちまちまっ白な泡 の山に変じて、その巓 が風にちぎられながら、すさまじい勢いで目あてもなく倒れかかる。
有島武郎 / 生まれいずる悩み
ところどころに船が湊泊する船溜り が膨らんだように川幅を拡 げている。
岡本かの子 / 河明り
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有島武郎 / 生まれいずる悩み
山々が海のうねりのように波を果てしなくたたんでいる
松本 清張 / 空白の意匠―松本清張短編全集〈10〉 amazon
ざっざっざっと巨大なホースで水を撒いているような音を立てて、雨が頭の上のトタン屋根の上を走っていく音が聞こえる
椎名 誠 / 新橋烏森口青春篇 amazon
(パリ)巴里という都は、物憎い都である。嘆きや悲しみさえも小唄 にして、心の傷口を洗って呉れる。
岡本かの子 / 母子叙情
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