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(夜の山)四方の山々は 蠑螈 の背のように黒かった。
志賀 直哉 / 焚火「城の崎にて・小僧の神様 (角川文庫)」に収録 ページ位置:22% 作品を確認(amazon)
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夜
山
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前後の文章を含んだ引用
......板を舟縁のいい位置に渡して、「お乗り下さい」と言った。妻から先へ乗せた。小舟は押し出された。 静かな晩だ。西の空にはまだ夕映えの名残りがわずかに残っていた。が、四方の山々は蠑螈の背のように黒かった。「Kさん、黒檜が大変低く見えるね」とSさんが舳から言った。「夜は山は低く見えますよ」Kさんは艫に腰かけて短い櫂を静かに動かしながら答えた。「焚火をしてますわ」と......
単語の意味
背(せ)
井守・蠑螈(いもり)
井守・蠑螈・・・イモリ科の両生類。池や沼、井戸などに住むトカゲに似た生き物。背中は黒味がかった茶色で、腹は赤くて黒い斑紋がある。手足ともに短て、尾は大きく平べったい。古来、イモリの黒焼きは、飲むと欲情する「ほれ薬」といわれた。名前の由来は、井戸や池など水のあるところに棲んでおり「井戸の守り主(井守)」と思われたことからとされる。
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影絵のように向こうの白い山はだに影が映る
遠藤 周作 / 何でもない話 amazon
何日かつづいたやわらかな雨に夏のあいだほこりをすっかり洗い流された山肌は深く鮮やかな青みをたたえ、《…略…》細長い雲が凍りつくような青い天頂にぴたりとはりついていた。空は高く、じっと見ていると目が痛くなるほどだった。
村上春樹 / ノルウェイの森 amazon
青々とした美しい山肌がその遠目鏡で見ると、樹木がまばらで野猪の皮膚のようであった。
宮本百合子 / 伸子
臥した牛の背のように悠揚として空に曳くながい稜線
森 敦 / 月山 amazon
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毒茸のようにけばけばしい家並み
阿刀田 高 / Y字路の街「だれかに似た人 (新潮文庫)」に収録 amazon
夕方の曇った灰色の空に富士山がはっきりと 露 われていた。それが、海を手前に、伊豆の山々の上に 聳え立った具合がいかにも構図的で、 北斎 のそう云う富士を 憶 い出さした。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
自分の生れた土地の姿を人の筆で読む事は自分のうしろ姿を思いがけなく見せてもらったようになつかしい。
森田 たま / もめん随筆 amazon
空と海が交わるあの奇跡の直線
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
「時間帯(朝・昼・夜)」カテゴリからランダム5
バラの花びらをすかしてみるような夜あけの光
庄野 英二 / 星の牧場 amazon
淡い暮れ方の日光が、湖面の靄(もや)を通してほの赤い縞になって射す
石川 達三 / 花のない季節 amazon
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