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午前中からたて続けに三本の映画を観てしまった。エンディングの途中で耐え切れなくなって、次のDVDかビデオに交換する。それが終わるとまた次。いつもそんな調子だ。何本観たって結局は同じ。いずれ色鮮やかな夢から覚めれば、そこは狭くて薄暗いおなじみの牢獄のなかというわけだ。けれどもこの閉ざされた場所では、夢を見ることのほかに、つまり映画を観ることのほかに、いったい何ができるだろう?
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 ページ位置:0% 作品を確認(amazon)
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......た誰かの心臓みたいにどくどく脈打っている。たった一年半しか続かなかったのに。別れてから八年以上もたつというのに――。 デジタル時計は三時五十六分を表示している。午前中からたて続けに三本の映画を観てしまった。エンディングの途中で耐え切れなくなって、次のDVDかビデオに交換する。それが終わるとまた次。いつもそんな調子だ。何本観たって結局は同じ。いずれ色鮮やかな夢から覚めれば、そこは狭くて薄暗いおなじみの牢獄のなかというわけだ。けれどもこの閉ざされた場所では、夢を見ることのほかに、つまり映画を観ることのほかに、いったい何ができるだろう? それでも映画さえも観ず、これといって何もしない日もあるにはある。昨日までの二、三日がそうだった。そういう日、黒崎の記憶は慣れっこになった慢性の疼痛だ。忘れてい......
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