卵がたっぷりと入ったカルボナーラのソースはあっという間に固まってしまった。

時間はもの惜しげに一滴ずつしたたってゆく

死人は、その死んだ後（のち）に於ても、その無感覚の感覚によって、時間の流れを感じているとすれば、一秒時間も、一億年も同じ長さに感じている筈である。又そう感ずるのが死後の真実の感覚でなければならぬので、すなわち一秒の中（うち）に一億年が含まれていると同時に、宇宙の寿命の長さと雖（いえど）も一秒の中（うち）に感ずる事が出来る訳である。この無限の宇宙を流れている無限の時間の正体は、そんなような極端な錯覚、すなわち無限の真実の裡（うち）に、矢の如く静止し、石の如く疾走しているものに外ならないのである。

のどかにダラダラと時が流れて行く

いつの間にか時計の針は午後８時を指している

めの前もくらむやうに急ぎました。

車両の揺れが、相変わらず、木村を小突くようだ。忍耐の鎖を破るように唆してくる。

永遠はどこまでも伸びる一本の長い棒だ。

彼はもう一度、カフスをめくった。

宙に浮くようなスピード