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おばさんという人種にはいらいらする。いつでも自分がか弱い被害者だと思っているから。《…略…》十分強そうなのに、自分たちのことをか弱いと信じ込んでいるところ、そして迷惑をこうむっているのはこっちなのに若い男というだけでこっちが加害者あつかいされる。年齢はいっているのに、全身を羽毛で覆われている、むくむくのひな鳥。
綿矢 りさ / 自然に、とてもスムーズに「しょうがの味は熱い (文春文庫)」に収録 ページ位置:70% 作品を確認(amazon)
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社会的弱者
おばさん・熟女
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前後の文章を含んだ引用
......戻って走ったけれど、じつは腹が立っていた。 いくらあの女性が僕より年寄りで体力がないとしても、自転車に乗っていて僕にぶつかったら、あっちが加害者で僕が被害者だ。おばさんという人種にはいらいらする。いつでも自分がか弱い被害者だと思っているから。数人でかたまって道のまんなかでしゃべっていたり、人通りの多い道で横着をして自転車を押さずに遅いスピードでふらふら乗っていたりする。すみませんどいて下さいと声をかけると彼女たちは、まるでひったくり犯がか弱い自分に近づいてきたかのような、おびえの混じった表情で、やはり謝りもせず道をよけるのだ。十分強そうなのに、自分たちのことをか弱いと信じ込んでいるところ、そして迷惑をこうむっているのはこっちなのに若い男というだけでこっちが加害者あつかいされる。年齢はいっているのに、全身を羽毛で覆われている、むくむくのひな鳥。 奈世も年を取れば、おばさんになるのかな。いや、ならないだろう。彼女には恥じらいがある。たとえ自分が損をしても、あつかましいことだけはしない子だった。 結婚をし......
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社会的弱者の表現・描写・類語(人間関係・地位のカテゴリ)の一覧 ランダム5
気づけば腐臭のように村や両親や私にまとわりつく、弱者の 匂いに。
吉本 ばなな / 血と水「とかげ (新潮文庫)」に収録 amazon
「父といたときからずっと、庄司さんといるときも、乙彦に出会ったときも、いつも感じた。何かの道具になってるような無力感。いつも自分のほうが弱い。」
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
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おばさん・熟女の表現・描写・類語(男性・女性のカテゴリ)の一覧 ランダム5
三十過ぎのトウのたった女
池井戸 潤「民王 (文春文庫)」に収録 amazon
(美魔女)とても四十七歳には見えなかった。単に若く見える、というのではなく、そもそも年齢というものから 瑞々しく解き放たれているのだった。
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
美醜を超えてチャーミングだと思わせる人
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
彼女が、愛に削られて劣化していく。きっと、あっという間に輝きのない平凡な女の人になる
綿矢 りさ / 亜美ちゃんは美人「かわいそうだね? (文春文庫)」に収録 amazon
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「男性・女性」カテゴリからランダム5
近辺の女房たちが「役者」とよんでいたほどの美男
池波 正太郎「むかしの味 (新潮文庫)」に収録 amazon
あどけない小娘
吉川英治 / 無宿人国記
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君とあの少女とは、或る運命の一直線上に向い合って立っている
夢野久作 / ドグラ・マグラ
(人と別れて)闇の中を遠ざかってゆく船をひとり見送っているようだ。
吉本 ばなな / 哀しい予感 amazon
周辺の道路は野次馬とマスコミの連中で 立錐 の余地もないほどまで埋め尽くされていた
翔田 寛「真犯人 (小学館文庫)」に収録 amazon
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