川と呼べるほど味気のあるものではない。排水溝をそのまま大きくしたような流れだ。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 ページ位置:92% 作品を確認(amazon)
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川
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......て30分ほどかかった。並んで歩いているあいだ、ぼくとにんじんは一言も口をきかなかった。 家に近くなったところに小さな川があって、コンクリートの橋がかかっていた。川と呼べるほど味気のあるものではない。排水溝をそのまま大きくしたような流れだ。まだこのあたりに畑が広がっていた頃には、農業用水として使われていたのだろう。でも今では水は濁って、かすかに洗剤のにおいがした。流れているのかいないのか、それさえ......
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川の表現・描写・類語(水面・水中・水辺のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(道頓堀川)あぶくこそ 湧くことはないが、ほとんど流れのない、粘りつくような光沢を放つ腐った運河なのであった。
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
鱗のように照り映えながら、川水は 縞をなした岸辺の岩を洗いつづけた。
北杜夫 / 牧神の午後 amazon
じっと見ていると自分が流れていくように思えた。水はきれいに澄んでいて、魚の影がよぎるのが見えた。
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
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「水面・水中・水辺」カテゴリからランダム5
(河の水は)石を越え、迂回し、後から後から忙しく現われて、流れ去っていた。それは無限に続く運動のように見えた。
昇平, 大岡「野火(のび) (新潮文庫)」に収録 amazon
波の音や砂や、はるかな海や、中空にすっと光る雲。自分さえ白く光って空気に溶けていきそうに思えるこういう浜辺
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
ひとつぶが〇・五カラットもあるダイヤモンドのような夜光虫
森 瑶子 / 星と夜光虫と雪とバラと「彼と彼女 (角川文庫)」に収録 amazon
繁吹(しぶき)が無数のこまかな針を吹きつけるようにわしの全身をおそって、私は目を細めた
山川方夫 / 海岸公園 amazon
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