芋虫が立ち上ったような 巻雲 が 夥しく並んで、
昇平, 大岡「野火(のび) (新潮文庫)」に収録 ページ位置:14% 作品を確認(amazon)
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雲
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前後の文章を含んだ引用
......峰を雑色に染めていた。地上は草のあわいまでも紫の影に満ち、陽の熱の名残と、土と、水蒸気とから生れる、甘ずっぱい匂いがあたりに漂っていた。遥か川向うの丘の上には、芋虫が立ち上ったような巻雲が夥しく並んで、これも真紅に染っていた。 見渡す野には野火はいつか衰え、薄い煙が湯気のように、一面に騰っているだけになった。風はいつか落ちていた。 十間ばかり離れた病院の小屋で......
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雲の表現・描写・類語(空・中空のカテゴリ)の一覧 ランダム5
水平線の上には猿人の頭骨のような形をした雲がひとつだけぽつんと浮かんでいた。雲はぴくりとも動かず、また動きそうな気配もなかった。それはどことなく頑迷そうな感じのする雲だった。漂白されたように真っ白で、輪郭はひどくはっきりしていた。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(下) amazon
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雲のない夜の空に大きい月が出ている。歪 んだ月に、指を円めて覗 き眼鏡していると、黒子 のようなお月さん!
林芙美子 / 新版 放浪記
空は曇っているので海は鈍い褐色を帯びている。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
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