店の灯も、町の人通りも香水 の湯気を通して見るように媚 めかしく朦朧 となって、いよいよ自意識を頼 りなくして行った。
岡本かの子 / 金魚撩乱 ページ位置:22% 作品を確認(青空文庫)
この表現が分類されたカテゴリ
恍惚・うっとり・エクスタシー
上の空・心ここにあらず
夢見心地
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......の内部から融 かすものがあって、おやと思ったときはいつか復一は自分から皮膚感覚の囲みを解いていて、真佐子の雰囲気 の圏内 へ漂 い寄るのを楽しむようになっていた。すると店の灯も、町の人通りも香水 の湯気を通して見るように媚 めかしく朦朧 となって、いよいよ自意識を頼 りなくして行った。 だが、復一にはまだ何か焦々 と抵抗 するものが心底に残っていて、それが彼を二三歩真佐子から自分を歩き遅らせた。復一は真佐子と自分を出来るだけ客観的に眺める積りでい......
単語の意味
朦朧(もうろう)
香水(こうすい)
朦朧・・・意識や視界、意味などがハッキリしないさま。ボーっとしていて、クリアでないさま。おぼろげなさま。ぼんやり。
香水・・・いい香りのする水。
ここに意味を表示
恍惚・うっとり・エクスタシーの表現・描写・類語(喜びのカテゴリ)の一覧 ランダム5
初めて見る大歌舞伎に、官能をくすぐられて、まるでいいお酒に酔ったように恍惚とした。
小島政二郎 / 大月雪
口を半ば開いてエクスタシーにわななく
島田 雅彦 / 未確認尾行物体 amazon
このカテゴリを全部見る
上の空・心ここにあらずの表現・描写・類語(その他の気分のカテゴリ)の一覧 ランダム5
このカテゴリを全部見る
夢見心地の表現・描写・類語(その他の気分のカテゴリ)の一覧 ランダム5
あまりに甘美で、気持ちのまとまりがつかなくなるほどだったのだ。
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
まるで香りのよい酒をのんだように夢心地
池波 正太郎「食卓の情景 (新潮文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
「喜び」カテゴリからランダム5
なんだか心臓をくすぐられたみたいに楽しくなって
朝井 リョウ / 燃えるスカートのあの子「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
「好き」カテゴリからランダム5
むず痒いような悦びと愛とが起って来るのであった。それは「新緑が胸の中に萌え出るような感じ」であった。
長与善郎 / 陸奥直次郎 amazon
人から愛されるということは、生ぬるい日向水(ひなたみず)に浸っているようなもの
福永 武彦 / 草の花 amazon
「その他の気分」カテゴリからランダム5
空腹の大波小波が押し寄せてくる
荻野 アンナ / 背負い水 amazon
同じカテゴリの表現一覧
喜び の表現の一覧
好き の表現の一覧
その他の気分 の表現の一覧
感情表現 大カテゴリ