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長いあいだ目をつむっていると、まるで自分が微妙なバランスをとりながら不安定な空間に浮かんでいるような気がした。たぶんそれはやわらかいベッドの上に裸で寝転んでいるせいだろう。それから女のつけたオーデコロンの強い匂いのせいもあるかもしれない。その匂いはまるで微妙な羽虫のように僕の暗闇の中にもぐりこんで、僕の細胞を伸ばしたり縮めたりしていた。
村上春樹 / 双子と沈んだ大陸「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 ページ位置:70% 作品を確認(amazon)
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前後の文章を含んだ引用
......るのか? どこに行くことになるのか? しかし僕にはひとつとしてその答を思いつくことはできなかった。2「いつも同じ夢を見るんだ」と僕は目を閉じたまま女に言った。 長いあいだ目をつむっていると、まるで自分が微妙なバランスをとりながら不安定な空間に浮かんでいるような気がした。たぶんそれはやわらかいベッドの上に裸で寝転んでいるせいだろう。それから女のつけたオーデコロンの強い匂いのせいもあるかもしれない。その匂いはまるで微妙な羽虫のように僕の暗闇の中にもぐりこんで、僕の細胞を伸ばしたり縮めたりしていた。「その夢を見る時間はいつもだいたい決まっている。朝の四時か五時──明け方の少し前だね。ぐっしょりと汗をかいてとび起きると、まだあたりは暗い。でもまったく暗いとい......
単語の意味
暗闇(くらやみ)
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眠りに落ちる・寝つくの表現・描写・類語(睡眠・眠る・寝るのカテゴリ)の一覧 ランダム5
突然眠りがやってきた。舞台の暗転みたいな一瞬の急激な眠りだった。眠りに落ちた瞬間のことを僕はちゃんと覚えている。巨大な灰色猿がハンマーを持ってどこからともなく部屋に入ってきて、僕の頭の後ろを思いきり叩いたのだ。そして僕は気絶するみたいに深い眠りに落ちた。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(上) amazon
僕は目を閉じたまま黙って肯いた。 しばらくのあいだあたりには物音ひとつ聞こえなくなった。鳩も ねじまき鳥 もどこかへ消えてしまっていた。風もなく、車の排気音さえ聞こえなかった。そのあいだ僕はずっと電話の女のことを考えていた。 僕は本当にその女のことを知っていたのだろうか? でも僕にはその女を思いだすことができなかった。まるでキリコの絵の中の情景のように、女の影だけが路上を横切って長くのびていた。そしてその実体は僕の意識の領域をはるか遠く離れたところにあった。僕の耳もとでいつまでもベルが鳴りつづけていた。
村上春樹 / ねじまき鳥と火曜日の女たち「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
思考がだんだん脱落していって頭が闇の底の方へ楽々と沈んで行った。
岡本かの子 / 渾沌未分
明日の体力のゲージを貯めるために彼は眠る。
綿矢 りさ「しょうがの味は熱い (文春文庫)」に収録 amazon
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昼寝・居眠り・うたた寝の表現・描写・類語(睡眠・眠る・寝るのカテゴリ)の一覧 ランダム5
少しでも眠ったのがよかったらしく頭痛も、熱もほとんど治まっていた。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
(少しの間眠って夜道を歩く夢を見た)夜の、十時だった。大友と別れたのが九時だから、ついさっきまであのうるさいビヤガーデンにいたのに、えらく昔のことのように感じた。二つの夜を行き来してしまったようだった。
吉本ばなな / サンクチュアリ「うたかた/サンクチュアリ」に収録 amazon
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「睡眠・眠る・寝る」カテゴリからランダム5
唇は開いたまま、時々樋(とい)に水の溜るようないびきをあげている。
林 芙美子 / 浮雲 amazon
細胞の隅々から疲労感を一滴一滴としぼりとるように深く眠った
村上 春樹 / ノルウェイの森 上 amazon
毛布を鼻の下まで引き上げた。
阿刀田 高 / 捩れた夜「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録 amazon
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