時間の流れをはっきり感じている。今が過ぎ、また今が来、すぐ今が来てまた過ぎていく。

こちらの都合など一切関心を払わず流れていく時間。

時計の針は確実に動いていく

（時間は）砂時計の砂がさらさら落ちるみたいに、どんどん減っているわけ

（１２時）時刻は日付を越えようとしている

ゆっくりと無感動に、牛が草を食（は）むように仕事をする

生産的な時間の潰し方がなにひとつできない

噛みついてくるような勢いで慎一が言う。

夏という季節はいつも、忙しく、せっかちで、こちらが油断している間にするすると走り去ってしまうのだ。夏だけじゃなくて、夏ほどじゃないけれど、他の季節もみんな速足だ。ゆっくりとのんびりとあたしたちと一緒に歩いたりはしてくれない。 　それは十八歳というあたしたちの年齢と関係あるのだろうか。それとも幾つになっても、季節はそっけなく近づいてきたと思ったら、あっという間に背を向けて遠ざかっていくものなのだろうか。今のあたしにとって、季節はこんなにも早熟で、あまりにも早く老いていく。

隼（はやぶさ）のような早い飛行機