あんまり同じ色に囲まれていて悲しくなった。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 ページ位置：23% 作品を確認（amazon）
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青色（青い）
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......「メアリーさん、記憶について思うところがあれば話して下さい。私、本当は気にしちゃってるみたいで。」 私は言った。彼女は青い目をしている。空にとけそうな色だった。あんまり同じ色に囲まれていて悲しくなった。ふたり分の人生を含む色だから？ 記憶の海、うち寄せる過去の響き、そういう色だ。「私だけの私がどういう私だったのか思い出せないんです。言葉遊びみたいだけれど。」 ......
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