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(心の渇き、誰にでもいいから抱かれたい)あゆみは大きな欠落のようなものを内側に抱えていた。それは地球の果ての砂漠にも似た場所だ。どれほどの水を注いでも、注ぐそばから地底に吸い込まれてしまう。あとには湿り気ひとつ残らない。どのような生命もそこには根づかない。鳥さえその上空を飛ばない。何がそんな荒れ果てたものを彼女の中に作り出したのか(。《…略…》)彼女はその致命的な欠落のまわりを囲うように、自分という人間をこしらえてこなくてはならなかった。作り上げてきた装飾的自我をひとつひとつ剥いでいけば、そのあとに残るのは無の深淵でしかない。それがもたらす激しい乾きでしかない。《…略…》その無は定期的に彼女のもとを訪れてきた。《…略…》そんなとき、彼女は誰でもいい誰かに抱かれないわけにはいかなかった。
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深淵(しんえん)
上空(じょうくう)
深淵・・・底がとても深い場所。とてつもなく奥が深いこと。終わりがないくらい底知れないこと。
上空・・・空の上の方。また、ある地点の上に広がる空。
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