椅子の背もたれに仰け反るようにして、くちもとに軽く握った手を宛てがいながら、肩を揺すって笑っていた。そして、「おかしい。」と 呟くと、中指で下 睫 の涙を拭った。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 ページ位置:3% 作品を確認(amazon)
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笑う
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前後の文章を含んだ引用
......言って嘆くと、みんなまた腹を抱えて笑った。蒔野は、話している最中から、洋子が聴いていて、笑っているかどうか、ちらちら気にしていた。何度かまた目が合った。彼女は、椅子の背もたれに仰け反るようにして、くちもとに軽く握った手を宛てがいながら、肩を揺すって笑っていた。そして、「おかしい。」と呟くと、中指で下睫の涙を拭った。蒔野は、自分が彼女に受け容れられたように感じて嬉しくなった。 蒔野の隣で、話の間、関係者の料理をよそっていた三谷は、「蒔野さん、喋らないと素敵なんですけどねぇ。......
単語の意味
背(せ)
中指(なかゆび・ちゅうし)
中指・・・手足の五本の指のうち、真ん中にある指。丈高指(たけたかゆび)。高高指・高々指(たかたかゆび)。第三指(だいさんし、親指から三番目のため)。
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笑うの表現・描写・類語(動作・仕草・クセのカテゴリ)の一覧 ランダム5
フッ! と木魚をたたくような飾りけのない笑いが二つ三つボクボクと湧いた。
石坂 洋次郎 / 若い人 amazon
歯のあいだから押しだすように弱く笑った。
大岡 昇平 / 俘虜記 amazon
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「動作・仕草・クセ」カテゴリからランダム5
表情が止まった空白の上を、さざ波のように微笑みが広がる
荻野 アンナ / 背負い水 amazon
回転扉の連続運動のように繰り返す
長野 まゆみ / 銀木犀 amazon
左手の小指を器用に折り曲げて、左の鬢 のほつれ毛を美しくかき上げるあの嬌態 をして見せる
有島武郎 / 或る女
無方針で何でもやらかす
林芙美子 / 新版 放浪記
「笑う・笑み」カテゴリからランダム5
雪見は苦笑いでごまかし、コメントは差し控えた。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
自信ある女優が喜劇の舞台にでも現われるように、軽い微笑を右の頬 だけに浮かべながら
有島武郎 / 或る女
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