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揺れは最高潮に達した。ドーンと重く山が鳴り、鳥が姿を見せないままけたたましく囀った。斜面の木が激しく梢を揺らし、杉の花粉が豪雪地帯もかくやとばかりにいっせいに降り注ぐ。 ふ、腐海! 俺は思わず、ナウシカを連想した。「午後の胞子を飛ばしている……」ってやつだ。こんな幻想的な光景に、まさか現実でお目にかかれるとは思ってなかった。 音が消えた。黄金色に輝く小さな粒が、視界を舞って地面に降り積む。
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 ページ位置:34% 作品を確認(amazon)
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山
花粉
地震・地面が揺れる
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前後の文章を含んだ引用
......しまう。揺れが本格的になるまえに、ヨキは猛ダッシュして斜面を駆けあがってきた。ノコも跳ねるようについてくる。 ヨキが俺と三郎じいさんの隣まで逃げてきたところで、揺れは最高潮に達した。ドーンと重く山が鳴り、鳥が姿を見せないままけたたましく囀った。斜面の木が激しく梢を揺らし、杉の花粉が豪雪地帯もかくやとばかりにいっせいに降り注ぐ。 ふ、腐海! 俺は思わず、ナウシカを連想した。「午後の胞子を飛ばしている……」ってやつだ。こんな幻想的な光景に、まさか現実でお目にかかれるとは思ってなかった。 音が消えた。黄金色に輝く小さな粒が、視界を舞って地面に降り積む。「ようけ揺れたなあ」「ヨキの走りっぷりがすごかった」「笑いごとやないねぃな。タマぁ縮んだで」「まあ、怪我なくてなによりや」 班の面々は笑いあう。花粉を頭からかぶ......
単語の意味
光景(こうけい)
姿・形・容・態・躰・體・軆・骵(すがた)
光景・・・1.目に前に広がる景色。そこに見える景色や物事のありさま。景色。様子。
2.日の光。
2.日の光。
姿・形・容・態・躰・體・軆・骵・・・1.身体の形。からだつき。人のからだの格好。衣服をつけた外見のようす。
2.身なり。容姿。
3.目に見える、人の形。人の存在。
4.物の、それ自体の形。物一つ一つの全体的な印象。
5.物事のありさまや状態。事の内容を示す様相。
以下の文字は訓読みで、「すがた」と読める。
[形・容・態・躰・軆・體・骵]
2.身なり。容姿。
3.目に見える、人の形。人の存在。
4.物の、それ自体の形。物一つ一つの全体的な印象。
5.物事のありさまや状態。事の内容を示す様相。
以下の文字は訓読みで、「すがた」と読める。
[形・容・態・躰・軆・體・骵]
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山の表現・描写・類語(地上・陸地のカテゴリ)の一覧 ランダム5
波濤のように起伏した皺の多い山の麓
田山 花袋 / 田舎教師 amazon
硯を立てたような山容である。
林 芙美子 / 浮雲 amazon
死火山の群れが、駱駝(らくだ)の瘤(こぶ)のような輪郭を描く
大岡 昇平 / 野火 amazon
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花粉の表現・描写・類語(植物のカテゴリ)の一覧 ランダム5
山で仕事をしていると、花粉がもわもわ降ってくる。降り注ぐ花粉で、山の斜面は真っ黄色だ。作業が終わる夕方には、俺たちは衣をまぶして揚げるばかりになったフライみたいなありさまだった。
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 amazon
風が吹くたびに枝が揺れて、花粉が黄色い霧みたいにバサーッ、バサーッと
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 amazon
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地震・地面が揺れるの表現・描写・類語(天災・荒れた天気のカテゴリ)の一覧 ランダム5
かすかな揺れであっても、じつは大地震が来るまえの予震で、いまこの瞬間にも地響きが聞こえて大揺れが起こり、部屋の隅までふっとばされるんじゃないかと身がまえる。
綿矢 りさ / かわいそうだね?「かわいそうだね? (文春文庫)」に収録 amazon
地震で地面が揺れるので、海上で波にもまれた者のように吐き気をもよおす
ダニエル・デフォー / ロビンソン・クルーソー amazon
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「地上・陸地」カテゴリからランダム5
ここはもはや下界ではない
横山 秀夫「クライマーズ・ハイ (文春文庫)」に収録 amazon
(坑道)地下何百尺という地獄のような竪坑
小林多喜二 / 蟹工船
「天災・荒れた天気」カテゴリからランダム5
台風が近づいていた。 民家は窓という窓に板を打ちつけてひっそりと身を 屈めている。
宮本 輝 / 泥の河「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
「植物」カテゴリからランダム5
風が出て来てまだ刈っていない草は一面に波を立てます。
宮沢賢治 / 風の又三郎
広場の手入れをするものもなく、そこにはまるでチャンスを待ちかねていたように緑の夏草が生い茂りはじめていた。
村上 春樹 / 象の消滅「新装版 パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
門の裏側の若蔦の群は《…略…》大きくうねりを見せて動いている潮のようでもある。
岡本 かの子 / 蔦の門 amazon
岡本かの子 / 母子叙情
八つ手の樹の根本にうすく苔が繁茂し、蒼い毛氈(もうせん)のように光っている
高橋 和巳 / 捨子物語 amazon
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