耳元でぐるぐる 捩れながら吹きすぎていく風の音
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 ページ位置:8% 作品を確認(amazon)
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風の音
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前後の文章を含んだ引用
......風の吹きすさぶ夕暮の競技場でサッカーの試合を観ていた二年前のことが、眼前にひろがってきたのだった。ボールを蹴る音や選手たちの怒鳴り声や、甲高いホイッスルの音や、耳元でぐるぐる捩れながら吹きすぎていく風の音やらが、真冬の夕暮の凛々たる落日に包まれて、邦彦以外誰もいない観覧席全体を、逆に何か底知れぬ静謐で満たしていたさまが思い出されてきたのである。 その日の午後から......
単語の意味
耳元・耳許(みみもと)
耳元・耳許・・・耳の根もと。耳のそば。耳のすぐ近く。耳許の「許」は、「近く」「そば」を意味する。
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窓の外から波止めで砕ける波の音が聞こえた。夜になると波の音は高くなる。波の音は夜通し聞こえ、小さなベッドで眠る祐一のからだを浸していく。 そんなとき、祐一は波打ち際の流木のような気持ちになる。波に攫われそうで攫われず、砂浜に打ち上げられそうで打ち上げられない。いつまでもいつまでも、流木は砂の上を転がされ続ける。
吉田修一「悪人」に収録 amazon
内グラウンドにいる伊吹の声が、一瞬、耳たぶを引っ掻いた気がした。
村田 沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録 amazon
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〈天婦羅〉という単語ひとつが、風に千切れて四階の十和子にまで届く。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
夜風の吹き渡る往来は多少胃の痛みの薄らいだ僕の神経を丈夫にした。
芥川竜之介 / 歯車
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