目を閉じているような暗闇
吉田修一「悪人」に収録 ページ位置:37% 作品を確認(amazon)
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暗い・闇
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前後の文章を含んだ引用
......すっと黒い何かが通った。一二三は慌ててブレーキを踏み、必死にブレるハンドルにしがみついた。 ライトが完全に消えたのはそのときだった。フロントガラスの先は、まるで目を閉じているような暗闇で、エンジンはかかっているのに、車を取り囲む森の中で、耳を塞ぎたくなるほど虫の声が高くなる。 冷房はギンギンに入れていたのに、どっと汗が噴き出した。汗というより......
単語の意味
暗闇(くらやみ)
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油煙を塗った銀箔のように、べっとりと暗さがまといつく
安部 公房 / 第四間氷期 amazon
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背後にある夕日が、影を槍のように長く尖らせる
原田 宗典 / 十九、二十(はたち) amazon
目が痛むほど、明るくなる。
芥川龍之介 / 偸盗
(真っ暗で恐い)冗談抜きで恐いのだ。丸裸にされたような気がする。嫌な気分だ。暗い暗黒は暴力の粒子を僕のまわりに漂わせている。そして僕はそれがうみへびのように音もなくするすると近寄ってくるのを見ることさえできないのだ。救いようのない無力感が僕を支配している。体中の毛穴という毛穴が直に暗闇に曝されているような気がする。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(上) amazon
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