私は風邪をひいた時の小さな子供のように、みんなの声をぼんやりと幸福に聞いていた。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 ページ位置:12% 作品を確認(amazon)
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就寝前に聞こえる音
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......。窓の外は暗い海と、閉店した店の、白いいすが並んでいるのが見えた。 向こうの部屋でみんなが笑っている、という感じはこの異国で孤独よりもむしろ、安心を感じさせた。私は風邪をひいた時の小さな子供のように、みんなの声をぼんやりと幸福に聞いていた。 させ子の自然な親切が私は好きだった。 ひとに親切にされて助けられ続けてきたか、されなさすぎて学んだのか、そのどちらかからしかこない、無私無償の親切だった。 私......
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先ほどから人の声が自分の 耳朶 をかすめていることに気づいた。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
思慮深い音楽のようなざわめき
小川 洋子 / 乳歯「口笛の上手な白雪姫」に収録 amazon
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夢野久作 / ドグラ・マグラ
今度おとずれたのは泥のような深い眠りで、夢は姿を見せなかった。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
(眠いけど食べる)頭の芯は眠気で凝り固まっているのに、手足は妙にふにゃふにゃしている。感覚も眠っているので、味を想像したりすることもなく、ただひとつひとつの手順を生理現象のようにこなしていく。
小川洋子 / 完璧な病室「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
ドロドロに崩れた白い液体のように、一切を休めて眠っている。
林芙美子 / 新版 放浪記
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