(魂が抜ける)魂は月光の流れに逆らいながら、徐々に月の方へ登ってゆきます。K君の身体はだんだん意識の支配を失い、
梶井基次郎 / Kの昇天――或はKの溺死 ページ位置:91% 作品を確認(青空文庫)
この表現が分類されたカテゴリ
魂
死ぬ
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......」になったのだと思われます。肩が現われ、頸 が顕われ、微かな眩暈 のごときものを覚えると共に、「気配」のなかからついに頭が見えはじめ、そしてある瞬間が過ぎて、K君の魂は月光の流れに逆らいながら、徐々に月の方へ登ってゆきます。K君の身体はだんだん意識の支配を失い、無意識な歩みは一歩一歩海へ近づいて行くのです。影の方の彼はついに一箇の人格を持ちました。K君の魂はなお高く昇天してゆきます。そしてその形骸は影の彼に導かれつつ、......
単語の意味
月光(げっこう)
身体(しんたい)
月光・・・月の光。
身体・・・人のからだ。肉体。
ここに意味を表示
魂の表現・描写・類語(その他の気分のカテゴリ)の一覧 ランダム5
死んだ後も意識が残り、煙みたいな塊として存在し、どこかへ上っていくもの
中村文則 / 教団X amazon
霧のように不定型で不可視な精神の塊
新海 誠「小説 君の名は。 (角川文庫)」に収録 amazon
砂漠のどこかにある井戸
サン=テグジュペリ / 星の王子さま amazon
このカテゴリを全部見る
死ぬの表現・描写・類語(生と死のカテゴリ)の一覧 ランダム5
人間も学者も同時に御免蒙 って、モトのアトムに帰り
夢野久作 / ドグラ・マグラ
このカテゴリを全部見る
「生と死」カテゴリからランダム5
(弟の余命は十三カ月と告げられる)「十三カ月……」 その数字をかみくだくのに、少し時間がかかった。今まで十三カ月などという数字について、しみじみと考えたことがなかったからだ。十三カ月で人は何ができるのだろう。赤ん坊なら立って歩くことを覚える。浪人生は大学生になり、恋人同士は夫婦になる。いろいろな尺度でその数字を測ろうとした。けれど、弟にとっての十三カ月がどんなものになるのか想像しようとすると、胸の中で、熟れすぎた果肉がべちゃべちゃと潰れていくように気持ち悪く息苦しくなって、うまく考えをまとめることができなくなった。
小川洋子 / 完璧な病室「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
ネコの死骸そのものより、誰かが殺したという事実が怖い。そこにある意思や感覚が怖い。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー (文春文庫)」に収録 amazon
「その他の気分」カテゴリからランダム5
あれは俺の空想が立たせた人影だ。俺と同じ欲望で崖の上へ立つようになった俺の二重人格だ。
梶井基次郎 / ある崖上の感情
同じカテゴリの表現一覧
生と死 の表現の一覧
その他の気分 の表現の一覧
暮らしの表現 大カテゴリ