白っぽくなるほど乾いた路上
羽田 圭介「ミート・ザ・ビート (文春文庫)」に収録 ページ位置:39% 作品を確認(amazon)
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舗道・アスファルト
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......と言っていたケンは、約束を忘れていつも通り現場に向かったのだろうか。 澄んだ空には雲ひとつなく、まだ低い位置にある太陽が彼の右半身を穏やかだが確実に焼いてゆく。白っぽくなるほど乾いた路上には鳥の死体が一つ転がっており、彼はそれを数メートル手前から避けた。自転車の細いタイヤと路面の摩擦音は小さく、路上に溢れる他のすべての音が聴き取れる。虫の鳴き声......
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(舗道に捨てられたちらし)汚い鋪道 の上に、散しの黄や赤が、露にベトベト濡れて陽に光っていた。
林芙美子 / 新版 放浪記
歩行者用信号が青になるのを待つ。車道を眺める。槿(人名)にはそれが川に思える。視界が狭くなり、光景の彩度が落ち、車道の上を、不定形の波を隆起させ、川が、右から左へとゆるゆる流れていく。歩道との境に設置されたガードレールは、その、緩やかに、たゆたう川が、道を逸れぬように、川べりから溢れぬように、と付きっ切りで見守る役割を果たしている。 川は、時に嵐に勢いを増すとはいえ、それ以外の時には、目立つとも目立たぬともいえぬ水面の揺れとせせらぎをたてる程度だ。
伊坂 幸太郎 / マリアビートル amazon
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