刳物台に坐っているときの彼のなんとがっしりしていることよ。彼はまるで獲物を捕った虎のように刳物台を抑え込んでしまっている。
梶井基次郎 / 温泉 ページ位置:47% 作品を確認(青空文庫)
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座り姿勢
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前後の文章を含んだ引用
......刳物台のせいである。夜彼が細君と一緒に温泉へやって来るときの恰好を見るがいい。長い頸 を斜に突き出し丸く背を曲げて胸を凹 ましている。まるで病人のようである。しかし刳物台に坐っているときの彼のなんとがっしりしていることよ。彼はまるで獲物を捕った虎のように刳物台を抑え込んでしまっている。人は彼が聾であって無類のお人好であることすら忘れてしまうのである。往来へ出て来た彼は、だから機械から外して来たクランクのようなものである。少しばかり恰好の滑稽な......
単語の意味
虎(とら)
虎・・・1.ネコ科の哺乳動物の中で最大の種。背中から腹にかけて黄色の地に黒い縦縞(たてじま[=頭と尾を結ぶ線に対して、直角に交わる縞模様])がある。口が大きく、鋭い牙と爪を持ち、眼光が鋭い。アジア地域では、強さや恐ろしさの象徴。肉食で、単独で狩猟を行う。皮は敷物などに用いられたが、乱獲され、現在では各地で保護されている。
2.俗に、酔っぱらいのこと。
2.俗に、酔っぱらいのこと。
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座り姿勢の表現・描写・類語(姿勢・ポーズのカテゴリ)の一覧 ランダム5
椅子に腰かけるのがきらいで、ソファの上にも田舎のおばさんよろしくちょんと坐ってしまう。
石井 好子「巴里の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)」に収録 amazon
三角座りの形、大小はさまざまで、でもどれも使いさしの消しゴムみたいに不格好。
綿矢 りさ / 蹴りたい背中 amazon
渚では逆巻く濃藍色の背景の上で、子供が二人湯気の立った芋を持って紙屑のように坐っていた。
横光 利一 / 春は馬車に乗って amazon
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「姿勢・ポーズ」カテゴリからランダム5
女たちがかしこここにいくつかの固い群れになって、石ころのようにこちんと立っている。
有島武郎 / 生まれいずる悩み
二つの膝をかためるようにして座蒲団の上に坐り
宮本百合子 / 伸子
しゃがみ続けるから、曲げた膝と体重の乗ったヒールの踵が痛い。
綿矢 りさ / かわいそうだね?「かわいそうだね? (文春文庫)」に収録 amazon
ダッシュボードに脚を投げだしてシートに身を沈め、おなかの上で両手を組んでいた。
重松 清「流星ワゴン (講談社文庫)」に収録 amazon
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