森の柏の静まった葉波は一斉に濡れた銀の鱗 のように輝き出した。
横光利一 / 日輪 ページ位置:4% 作品を確認(青空文庫)
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月の光・月明かり
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前後の文章を含んだ引用
......に飛びついた。 「大兄。」 しかし、卑狗の大兄はまだ来なかった。卑弥呼は藁戸の下へ蹲踞 ると、ひとり菘 を引いては投げ引いては投げた。月は高倉の千木 を浮かべて現れた。森の柏の静まった葉波は一斉に濡れた銀の鱗 のように輝き出した。そのとき、軽い口笛が草玉の茂みの上から聞えて来た。卑弥呼は藁戸から身を起すと、草玉の穂波の上に半身を浮かべて立っている卑狗の大兄の方へ歩いていった。 「大兄、大兄......
単語の意味
銀(ぎん)
葉波(はなみ)
銀・・・1.金属元素のひとつ。元素記号Ag、原子番号47。金よりわずかに軽く、白く光って美しい艶(つや)をもつ金属。金属中最も熱と電気の伝導性が高い。空気中では酸化しないが、硫黄の化合物にあうと黒色に変わる。
2.銀メダルの略。
3.銀色の略。しろがね色。
4.将棋の、銀将の略。
2.銀メダルの略。
3.銀色の略。しろがね色。
4.将棋の、銀将の略。
葉波・・・風に吹かれて波のように揺らぐ葉っぱ。
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月の光・月明かりの表現・描写・類語(空・中空のカテゴリ)の一覧 ランダム5
月の光が川面にちらちらと動いて編み針のように入り交じる
ジュール・ルナール / にんじん amazon
月に白 んだ小路
芥川龍之介 / 偸盗
月は西の空まで白い波のように長く拡がっている雲の端に隠れ、ちょうど月を隠している雲の端は、内から洩れ出る輝きに光を噴き出しているかのように見える。
野間 宏 / 暗い絵「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
雨戸の節穴から、凄いほど透き通った月の光がさし入る
北村 薫 / 水に眠る amazon
ぼくの前には底の知れない闇がひろがり、背後には淡い光の世界があった。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
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「空・中空」カテゴリからランダム5
夏の終わりの入道雲には、やんちゃ坊主のあがきのようなおかしさがある
竹西寛子 / ひとつとや amazon
水平線の上には猿人の頭骨のような形をした雲がひとつだけぽつんと浮かんでいた。雲はぴくりとも動かず、また動きそうな気配もなかった。それはどことなく頑迷そうな感じのする雲だった。漂白されたように真っ白で、輪郭はひどくはっきりしていた。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(下) amazon
月の全体の形も頭蓋骨に似ている。白銀の頭蓋骨だ。
佐藤 春夫 / 田園の憂鬱 amazon
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