今起きかえったばかりの葉子が、はでな長襦袢 一つで東ヨーロッパの嬪宮 の人のように、片臂 をついたまま横になっていた。
有島武郎 / 或る女(前編) ページ位置:12% 作品を確認(青空文庫)
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体を横たえる
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前後の文章を含んだ引用
......地や、帽子や、造花や、鳥の羽根や、小道具などで、足の踏みたて場もないまでになっていた。その一方に床の間を背にして、郡内 のふとんの上に掻巻 をわきの下から羽織った、今起きかえったばかりの葉子が、はでな長襦袢 一つで東ヨーロッパの嬪宮 の人のように、片臂 をついたまま横になっていた。そして入浴と酒とでほんのりほてった顔を仰向けて、大きな目を夢のように見開いてじっと古藤を見た。その枕 もとには三鞭酒 のびんが本式に氷の中につけてあって、飲みさしの......
単語の意味
長襦袢(ながじゅばん)
長襦袢・・・和服の下に着る丈の長い、和服用の下着。
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体を横たえるの表現・描写・類語(姿勢・ポーズのカテゴリ)の一覧 ランダム5
(横になった姿が)死んだ犬みたいにぐったりと足を開げ、投げ出している
村上 龍 / 限りなく透明に近いブルー amazon
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顔を上げる。 思わずこぼれた「でも」という言葉が、まるでバネのように、愛子の体を引き上げてくれる。
朝井 リョウ「武道館 (文春文庫)」に収録 amazon
左の腕にナフキンをかけて彫刻のように突立っているギャルソン
岡本かの子 / 母子叙情
「睡眠・眠る・寝る」カテゴリからランダム5
彼女は自分の大量の縮れた毛を枕にして赤ん坊のように眠りこけている。
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
(山の中で眠りに落ちる)疲れ切ってはいるが、それが不思議な陶酔感となって彼に感ぜられた。彼は自分の精神も肉体も、今、この大きな自然の中に溶け込んで行くのを感じた。その自然というのは 芥子粒 程に小さい彼を無限の大きさで包んでいる気体のような眼に感ぜられないものであるが、その中に溶けて行く、──それに還元される感じが言葉に表現出来ない程の快さであった。何の不安もなく、睡い時、睡りに落ちて行く感じにも多少似ていた。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
母は帯を結 うて蒲団の上に起きて
伊藤左千夫 / 野菊の墓
この何日かの疲れが巨大な波のように突然彼に押し寄せてきた。そして血液の中を生ぬるいかたまりがゆっくりと巡った。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
眠っていたあいだになんだかひどく年をとってしまったような気がした。
村上春樹 / ねじまき鳥と火曜日の女たち「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
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