この辺は藪 がありますので、春の末からもう蚊が出ます
岡本かの子 / 母子叙情 ページ位置:67% 作品を確認(青空文庫)
この表現が分類されたカテゴリ
晩春・初夏
草むら・茂み
蚊・ハエ
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......がら、しかし無条件に通俗な標準の眼から見たら、結局こういうのが美人と云えるのではないかと思ったりした。蔦の葉の単衣 が長身の身体に目立たぬよう着こなされていた。 「この辺は藪 がありますので、春の末からもう蚊が出ますのでございますよ。お気をつけ遊ばせ」 と、ちょっと何か払うようなしなやかな手つきをして、更に女中の持って来た果物を勧めたりした。 始終七分身の態度で、款待 しつづけ......
単語の意味
辺・畔(ほとり)
蚊(か)
辺・畔・・・1.すぐ近くの場所。近辺。そば。あたり。
2.陸地と水面が接しているところ。川や海などの水際。岸。きわ。
2.陸地と水面が接しているところ。川や海などの水際。岸。きわ。
蚊・・・カ科の昆虫。古来より人が悩まされてきた、小形の害虫。主に夏に出る。雄は人や家畜の血を吸う。種類が多く、デング熱やマラリアなどの伝染病を媒介するものもいる。飛行の際に「ぶぅぅん」と羽音を鳴らす。
ここに意味を表示
晩春・初夏の表現・描写・類語(春のカテゴリ)の一覧 ランダム5
松も新しい緑にかわって、草も木も青い焔 のようになった。
有島武郎 / 或る女
このカテゴリを全部見る
草むら・茂みの表現・描写・類語(植物のカテゴリ)の一覧 ランダム5
痙攣 した神経をあらわに見せる 磯巾着 の汚れた頭のように、何か腐敗した匂いを放って揺れている 叢。
野間 宏 / 暗い絵「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
落葉松(からまつ)と楡(にれ)ともみの木の茂りが、黒い氷の塊のよう
室生 犀星 / 杏っ子 amazon
岡本かの子 / 母子叙情
このカテゴリを全部見る
蚊・ハエの表現・描写・類語(昆虫・虫のカテゴリ)の一覧 ランダム5
蠅がふたたび、彼と女との汗の臭いを慕って、首のまわりを飛びまわりはじめた。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
真っ昼間から蚊だの蝿だのがぶんぶん呻って、とても暑くってやり切れやしない
谷崎潤一郎 / 痴人の愛 amazon
このカテゴリを全部見る
「昆虫・虫」カテゴリからランダム5
無数のはね虫が火花のように光って飛ぶ。
岡本 かの子 / やがて五月に (1956年) amazon
糸杉のそれぞれの幹には数え切れないほどの蟬がしっかりとしがみついて、世界が終末に向って転がり始めたといった風に鳴きわめいていた。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
「植物」カテゴリからランダム5
シクラメンが赤いぼんぼりを並べたように咲いていた。
浅田次郎 / 伽羅「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 amazon
「春」カテゴリからランダム5
横向に庇 を向いて開いた引窓から、また花吹雪 を一塊 りなげ込んで、烈しき風の吾を遶 る
夏目漱石 / 吾輩は猫である
「夏」カテゴリからランダム5
(真夏の)真昼に近い銀座は、古いフィルムのようにあたりがひっそりと背景にへばりついている。
林 真理子 / ワイン「最終便に間に合えば (文春文庫)」に収録 amazon
川に沿って植えられた樹々の若い葉の匂いがした。その緑色があたりの空気の中にしっくりとにじみこんでいるようだった。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
昆虫・虫 の表現の一覧
植物 の表現の一覧
春 の表現の一覧
夏 の表現の一覧
風景表現 大カテゴリ