TOP > 風景表現 > 晴れ・曇り > 晴天・快晴・いい天気
一年に何回もないくらいの晴天だった。女子大生が抱えたテニスのラケットや、ミルクスタンドのマグカップや、ロータリーを旋回するバスの窓ガラスが、特別に選ばれた物のようにきらめいていた。誰もが光を身体中に浴びて歩いていた。あのお通夜の晩の深い闇やK君の喪服の黒色の記憶など、光に溶けて簡単に流れ出してしまいそうだった。
小川洋子 / 冷めない紅茶「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 ページ位置:38% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
晴天・快晴・いい天気
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......た頃、K君から電話があった。 K君の家は、教えられたとおりに行くとすぐに見つかった。地図の上でしか知らなかった私鉄の小さな駅を降りて、後はずっと一本道だった。 一年に何回もないくらいの晴天だった。女子大生が抱えたテニスのラケットや、ミルクスタンドのマグカップや、ロータリーを旋回するバスの窓ガラスが、特別に選ばれた物のようにきらめいていた。誰もが光を身体中に浴びて歩いていた。あのお通夜の晩の深い闇やK君の喪服の黒色の記憶など、光に溶けて簡単に流れ出してしまいそうだった。 わたしは駅前の商店街でいろいろと迷った末、籐かごに入ったタムという観葉植物をお土産に買った。 その家の前に立った時、表札を見なくてもこれがK君の家だとすぐに感......
単語の意味
煌く・煌めく・燦めく(きらめく)
晴天(せいてん)
身体(しんたい)
煌く・煌めく・燦めく・・・キラキラと光り輝く。存在が輝かしくて人目をひく。
晴天・・・晴れた天気。晴れ渡った空。天気がいいこと。青天。晴れ。
身体・・・人のからだ。肉体。
ここに意味を表示
晴天・快晴・いい天気の表現・描写・類語(晴れ・曇りのカテゴリ)の一覧 ランダム5
高あく澄んだ青空をながめると、変なほど雲がない。
宮本百合子 / 秋風
すこんと晴れて、緑が濃く光っていた。
吉本ばなな / サンクチュアリ「うたかた/サンクチュアリ」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
「晴れ・曇り」カテゴリからランダム5
部屋いっぱいに差した冬の日差しが曇り、そしてまた明るくなった。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
晴れ・曇り の表現の一覧
風景表現 大カテゴリ