（殺された被害者の家族）何もかも失ってしまった。“〝 何もかも”〟 というのは“〝 幸せ”〟 ということです。生活はできても生きてる意味はない。唯一、遺恨だけが我々を生かしてるんです。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 ページ位置：53% 作品を確認（amazon）
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憎悪・憎しみ
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前後の文章を含んだ引用
......く、我々の家庭も無残なもんです。母はあの事件のあと、心労から寿命を縮めてしまった。皮肉なことに、我々にはその遺産だけがある。それで生活できている。しかし、あとは何もかも失ってしまった。“〝何もかも”〟というのは“〝幸せ”〟ということです。生活はできても生きてる意味はない。唯一、遺恨だけが我々を生かしてるんです。そんなのが生き甲斐になってる人間の気持ち、あなたに分かりますか？ いや、分からなくていい。けれど、ぜひあの男を追い詰めるのに手を貸して頂きたいんです。 我々には......
単語の意味
遺恨（いこん）
遺恨・・・忘れることのできない深い恨み。宿怨（しゅくえん）。
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「憎悪・憎しみ」の表現・描写・類語（嫌いのカテゴリ）の一覧 ランダム５
あいつに血へどを吐かしてやらなくッちゃ虫が納まらねえ
吉川英治 / 醤油仏
あらわな敵意をまるで心が滝に打たれたかのように感じ取っていた。
野間 宏 / 暗い絵「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
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「嫌い」カテゴリからランダム５
ぽつりぽつりと言葉は交わしたが、なんだか、二人とも体中の中身をごっそりと抜かれてしまったみたいに、疲れていた。
朝井 リョウ「武道館 (文春文庫)」に収録 amazon
何かはねかえすような冷たい笑いが眼の下に浮かんでいる。
野間 宏 / 暗い絵「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
泣きも笑いもしていない。憎悪だけが静かにアルコオルのように完全燃焼する。
大江 健三郎 / われらの時代 amazon
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