まるで結核患者みたいに痩せていた

昔のイタリア映画に出てくる戦災孤児みたいにやせて、目だけがぎょろぎょろしていた。

やせ細っていっそう背たけの伸びて見える

クラスでもっとも貧弱な体

遠くに離れて坐っているので、生田さんは馬鹿に細っこく見える。

象の飼育係はやせた小柄な老人だった。正確な年齢はわからない。六十代前半かもしれないし、七十代後半かもしれない。世の中にはある時点を越えると外見を年齢に左右されることをやめてしまう人がいるものだが、彼もそんな一人だった。

（年配の男性は）いつもの学生たちとは違う、どこか枯れた落ち着きを感じ取ることができる。

もう八十歳をすぎたのに、元気だし、おしゃれだから若くみえる。

気の毒なほど老いさらばえている

（痩せた老人）もともと 瘦 せていたが、晩年は脂気も水気もなくなって、へし折ればペキンと音がしそうであった。廊下ですれちがうと、形も匂いも父は一本の 煙管きせる であった。

ベニヤ板のように固くなっている自分の腹

寝ている宇野浩二の真似でもしてみようかと思うけれども、ふとっているので、すぐ、両肘（りょうひじ）がしびれて来るに違いない。

川ぞいの窓から差し込んでくる朝の光が、武内を照らしていて、それを邦彦はカウンターの中から見るともなしに見ていた。トーストの焼ける匂いと、珈琲ポットからのたてたばかりのほろ苦い香りが、邦彦のまわりに生温かくたちこめていたが、それは黙り込んでいるときの武内のうしろ姿からときおり滲み出てくる 物憂い静寂みたいなものを、いやにはっきりと映し出していた。

両腕と両足が、人が思わず触ってみたくなるほど肉づきがよく、しかもその感触が、この世に他に似た何かを探すことが出来ないほど、「ふわふわ」なのだった。

でっぷりと肥って、縦より横の方が広く見えそうな軀（からだ）

脂の乗った40代

老人は黙って立った。脊が高くちょうど風雨にさらされた山の枯木のような感じがした。

ミルフィーユのように美しく年齢を重ねた女

白かった肌が、白布が日ごとに黄ばんでいくように少しずつ飴色に濁っていく

我々はどちらも三十四歳で、それは十三歳とはまた違った意味でとても難しい年齢だった。二人とも年をとるということの本当の意味を少しずつ認識しはじめていた。そして我々はそれに対してなにがしかのもの準備しはじめなくてはならない時期にさしかかっていた。来るべき冬のあいだに体を温めてくれそうなものを確保しておくのだ。彼はそれを簡潔な言葉で表現した。 「愛」と彼は言った。