エンジンが停まると、我々は凍りつくような沈黙の中に放り出された。風の音だけが大地を彷徨していた。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 ページ位置:75% 作品を確認(amazon)
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風の音
静けさ・静寂
強風・暴風
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......づけた。そして何かを聞きとろうとするかのような顔つきで前かがみになったまま少しずつ車のスピードを緩め、ほんの僅か道が広くなったところでブレーキ・ペダルを踏んだ。エンジンが停まると、我々は凍りつくような沈黙の中に放り出された。風の音だけが大地を彷徨していた。 管理人はハンドルの上に両手を載せたまま長いあいだ黙り込んでいた。それからジープを降り、作業靴の底で地面をとんとんと叩いた。僕も車を下りてそのわきに立ち、路面を......
単語の意味
彷徨(ほうこう)
彷徨・・・行くあてもなく歩きさまよう事。うろうろすること。
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胸の中をふきぬけるような風の音
梅崎 春生 / 桜島 amazon
積み上げた杉材の隙間から隙間を、笛に似たやわらかな音を立てて風が抜けていく
高樹 のぶ子 / 光抱く友よ amazon
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静けさ・静寂の表現・描写・類語(音の響きのカテゴリ)の一覧 ランダム5
シーンと耳が沁(し)む、耳が痛むような静寂
加賀 乙彦 / 海霧 amazon
鼓膜が変になるような静けさ
島尾 敏雄 / 出孤島記 amazon
ふすまを開けて廊下に出た。まるで夢の中で見る日本家屋のようにひっそりしている。
吉本 ばなな / 哀しい予感 amazon
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強風・暴風の表現・描写・類語(風のカテゴリ)の一覧 ランダム5
歳末大売出しの広告が吹きちぎれるほど風が強く吹く
高樹 のぶ子 / その細き道 amazon
看板はがたがた音を立てて揺れ、若葉に 彩られた枝も音を立ててずらりとなびいていた。歩道をゆく人々はみな、ごうごう吹き荒れる風に顔をしかめたり、髪を押さえたりしていて、やたら落ち着かなかった。青い空だけがじっと動かずにそういう世間を見ていた。体重が軽い私も、風に押されて飛んでゆきそうなので、必死だった。
吉本ばなな / うたかた「うたかた/サンクチュアリ」に収録 amazon
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家をゆすって遠いかみなりのような地ひびきをさせ、なにかが通っていきました。
松谷 みよ子 / はと「黒い蝶・うさぎのてぶくろ ほか (松谷みよ子全集)」に収録 amazon
衣擦れの音が、ドキッとするほど大きく響いた。
新海 誠「小説 君の名は。 (角川文庫)」に収録 amazon
ハイ・エースが「荒野の七人」のイントロをもじったホーンを鳴らした。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
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吊るされたいくつもの干しイカが潮風になぶられている。
吉田修一「悪人」に収録 amazon
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