ウィスキーのおかげで頭はすりきれたネジみたいにぼんやりとして
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 ページ位置:3% 作品を確認(amazon)
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酒に酔う・酔っ払う
ぼんやり・朦朧・ボーっとする
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......てから、おもむろに目を閉じる。そして意識の断片をかきあつめ、アパートの廊下をドアに向って十六歩歩いた。目を閉じたまま正確に十六歩、それ以上でもそれ以下でもない。ウィスキーのおかげで頭はすりきれたネジみたいにぼんやりとして、口の中は煙草のタールの匂いでいっぱいだった。 それでも、どんなに酔払っていても、目を閉じたままものさしで線を引いたみたいにまっすぐ十六歩歩くことができる。長年......
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