(物語の翻訳)「他人の文章をまるで自分の考えのように追っていくわけでしょう? 1日何時間も、まるで自分の執筆のように。他人の思考回路に同調するのよね。それって、妙なものよ。違和感がないところまで入っていけたりしてね。どこまでが自分の考えなのかわからなくなったり、普段の生活にまで人の思考が混入していたりね。影響力の強い人のものを訳していると、ただの読書の何倍もひっぱられるわよ。」
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 ページ位置:59% 作品を確認(amazon)
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前後の文章を含んだ引用
......。」 そこにデザートとエスプレッソが運ばれてきて、話が中断した。母の考えていることなんてこのところあんまり聞いていなかったので、不思議だった。母の仕事のことも。「他人の文章をまるで自分の考えのように追っていくわけでしょう? 1日何時間も、まるで自分の執筆のように。他人の思考回路に同調するのよね。それって、妙なものよ。違和感がないところまで入っていけたりしてね。どこまでが自分の考えなのかわからなくなったり、普段の生活にまで人の思考が混入していたりね。影響力の強い人のものを訳していると、ただの読書の何倍もひっぱられるわよ。」「……お母さんほどのベテランでも?」「最近はさすがにわかってきたけどね。始めたころ、ちょうど離婚のあたりだったかな、うまくなかったわ。仕事が何の救いにもならない......
単語の意味
妙(みょう)
妙・・・とてもいい。非常に優れている。または、不思議、奇妙なこと(さま)。
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翻訳・訳すの表現・描写・類語(動作・仕草・クセのカテゴリ)の一覧 ランダム5
ホンヤクと云う事は飯を煮なおして、焼飯にする事かな。
林芙美子 / 新版 放浪記
考えるに付け加えることは何もない、というのが我々の如きランクにおける翻訳の優れた点である。左手に硬貨を持つ、パタンと右手にそれを重ねる、左手をどける、右手に硬貨が残る、それだけのことだ。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
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「動作・仕草・クセ」カテゴリからランダム5
ちょっとどきどきしている。はじめてアイラインを引いたときくらいの、カタカナよりもひらがなで書く、どきどき。
朝井 リョウ / ひーちゃんは線香花火「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
聖書をもっている手の拇指がまむしになるほど力を入れて
宮本百合子 / 伸子
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