TOP > 人物表現 > 思考・頭の中の状態 > 想像する・イメージする
(昔暮らした家の前を通るとき中の様子のイメージが沸く)それらがまるでドアの向こうに必ずあのままある気がしてならなかった。お盆に故郷の家に戻って家の中を見て歩く霊のように、夏休みだけ帰った父方の祖父母の家の(もう二度と会うことのない人々、訪れることのない家)、庭の遠い記憶みたいに。
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 ページ位置:65% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
想像する・イメージする
思い出を美化する
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......かった。 入って左手の食器だな。 グリーンの冷蔵庫。 資料がいちめん貼ってある壁。 窓辺のベッド。 小銭の入っていたびん。 ないしょで飼っていた大きなインコ。 それらがまるでドアの向こうに必ずあのままある気がしてならなかった。お盆に故郷の家に戻って家の中を見て歩く霊のように、夏休みだけ帰った父方の祖父母の家の、庭の遠い記憶みたいに。「飲んでないのに酔ってるみたい。私の声、変じゃない?」 ひそやかに闇に声がこもった。「思い出に酔ってるのよ。」 こともなげに萃は言った。 階段を上りつめ、屋上の......
単語の意味
お盆(おぼん)
お盆・・・1.主に旧暦の7月13日から15、16日、現在の8月13日から15、16日の期間にご先祖様の霊を迎えて供養すること。行事やその期間をさす。盂蘭盆(うらぼん)、または、盂蘭盆会(うらぼんえ)の略。
2.盛り付けを済ませた食器などをのせて運ぶのに使う、ふちの浅い平たい器。
2.盛り付けを済ませた食器などをのせて運ぶのに使う、ふちの浅い平たい器。
ここに意味を表示
想像する・イメージするの表現・描写・類語(思考・頭の中の状態のカテゴリ)の一覧 ランダム5
その犯人の姿を思い出し、可能性を次々と列挙していく。自分たちの取るべき行動と、起こりうる事態を想像してみる。
伊坂 幸太郎「陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
思い出を美化するの表現・描写・類語(記憶のカテゴリ)の一覧 ランダム5
「思い出っていうやつは、どんな時も哀れなもんだ。時間がたてばたつほど、美化されるから、余計、始末に負えない。たとえ、キスしながらニンニクくさいゲップをしてくるようなやつだったとしても、そいつは思い出の中では、屁もこかない王子様になるのさ」
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
今は亡き人であるだけに彼には益〻偶像化されて行く
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
「思考・頭の中の状態」カテゴリからランダム5
画を描いている時は、自分の周りの時間だけが進んでいて、描き終わったその瞬間に過ぎ去っていた分の時間をぐんと飛び越える気がする。
朝井 リョウ / 僕は魔法が使えない「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
「記憶」カテゴリからランダム5
初恋いの憶い出が、白い泡のように、ふつふつと胸によみがえって来るのを覚えた。
林 芙美子 / 女性神髄「林芙美子全集〈第6巻〉女性神髄・女の日記 (1952年)」に収録 amazon
記憶を探る。ここに来る前になにをしていたのか、なんとか思い出そうとする。するとやがて、その端っこに指が触れる。
新海 誠「小説 君の名は。 (角川文庫)」に収録 amazon
頭の中に、くっきりと残っている。
中島 京子「小さいおうち (文春文庫)」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
思考・頭の中の状態 の表現の一覧
記憶 の表現の一覧
人物表現 大カテゴリ