水のように濃くこめた霧
小林多喜二 / 蟹工船 ページ位置:81% 作品を確認(青空文庫)
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霧・かすみ・もや
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......赤化運動」に好奇心を持ち出していた。 嵐の時もそうだが、霧が深くなると、川崎船を呼ぶために、本船では絶え間なしに汽笛を鳴らした。巾 広い、牛の啼声 のような汽笛が、水のように濃くこめた霧の中を一時間も二時間もなった。――然しそれでも、うまく帰って来れない川崎船があった。ところが、そんな時、仕事の苦しさからワザと見当を失った振りをして、カムサツカ......
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