デキモノの膿がつんと目鼻を突き刺すまでの悪臭を放っている

母の形容によれば「松かさのように」頭から顔からいちめんふきでものがした

潰れたにきびから血が吹いている

得体の知れぬデキモノ

（にきび）顔の小さな火山

デキモノの膿がつんと目鼻を突き刺すまでの悪臭を放っている

（喧嘩の痕）鼻にいたっては、紫色に膨張して、掘ったら中から膿が出そうに見える。

胸や腹は、指で押しても、血膿（ちうみ）にまじった、水がどろりと流れそうに、黄いろくなめらかに、むくんでいる。ことに、むしろの裂け目から、天日（てんぴ）のさしこんだ所で見ると、わきの下や首のつけ根に、ちょうど腐った杏（あんず）のような、どす黒い斑（まだら）があって、そこからなんとも言いようのない、異様な臭気が、もれるらしい。

短い髭の中に赤く膿を持ったにきびのある頬

額に汗の玉がびっしり浮かび上がる

アザの毛をはさみで切る

近年になって額から前頭部にかけて色素が現れてきた

淡い影のような青黒いシミ

短い、赤い無数の血管がすけていた。赤い、小さな蛆虫の群のようだ。