(ホテルのロビー)巨大なシャンデリアが下がっている吹き抜けのロビーには、様々な国の言葉が溢れていた。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 ページ位置:52% 作品を確認(amazon)
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旅館・ホテル
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......を擦っていたが、急にそれを止めると、カウンターの上の左腕に手を置いて、俯き加減に時計を軽く打ち続けた。「お待たせしました、担当の者がお部屋までご案内します。」 巨大なシャンデリアが下がっている吹き抜けのロビーには、様々な国の言葉が溢れていた。つい今し方、銃撃戦があったばかりの現場で、人々の絶望的な悲嘆を取材し、ようやくムルジャーナ・ホテルへと戻ってきた時の記憶が蘇った。 あの時とは違う。同じはずがな......
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旅館・ホテルの表現・描写・類語(店・施設のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(ホテル・オークラ)本館のロビーは広々として天井が高く、ほの暗く、巨大で上品な洞窟を思わせた。ソファに腰をおろして何ごとかを語り合う人々の声は、臓腑を抜かれた生き物のため息のようにうつろに響いた。カーペットは厚く柔らかく、極北の島の太古の苔を思わせた。それは人々の足音を、蓄積された時間の中に吸収していった。ロビーを行き来する男女は、何かしらの呪いで大昔からそこに縛りつけられ、与えられた役割をきりなく繰り返している一群の幽霊のように見えた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
がらんとした旅館の一室。清浄な蒲団 。匂 いのいい蚊帳 と糊 のよくきいた浴衣 。
梶井基次郎 / 檸檬
フロント前にはチェックインを待つ客たちが七、八人いてそれなりに賑やかだった。高級な人々のつくり出す、品のある賑やかさだ。
伊坂 幸太郎 / グラスホッパー amazon
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(ホテルの一部がうらぶれて博物館のようになっていて、)暗い廊下の奥に羊の剥製やら、埃だらけの毛皮やら、黴臭い資料やら、茶色く変色した古い写真やらが積みかさねてある(略、)果たされざる想いが乾いた泥のように隅々にしっかりとこびりついているようなホテル
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(上) amazon
(大きな公園)公園というより、競技場と呼ぶほうがふさわしい規模と施設
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
モグリかと思うくらいあじけない治療院
吉本 ばなな / とかげ「とかげ (新潮文庫)」に収録 amazon
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