こんなに近くにいるのに、近くにいる気がしないのは、きっと欲しがりすぎているせいなんだろう。 愛されたい、包まれたい、すきまなく、埋めてほしい。私はほとんど身体ごとあなたにめり込んでいる。
綿矢 りさ「しょうがの味は熱い (文春文庫)」に収録 ページ位置:68% 作品を確認(amazon)
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愛する・愛情
孤独・一人ぼっち
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前後の文章を含んだ引用
...... アラームが鳴るまであと六時間、六時間もの自由な時間をもっと味わいたいのに、眠りが僕の自由を邪魔する。もし自由な時間に好きなことができるとすれば……眠りたい。 こんなに近くにいるのに、近くにいる気がしないのは、きっと欲しがりすぎているせいなんだろう。 愛されたい、包まれたい、すきまなく、埋めてほしい。私はほとんど身体ごとあなたにめり込んでいる。 いきなり絃がベッドからはい出たから、びっくりして声が出なかった。もう眠ったと思っていたのに。上掛けがめくれ上がり私の左脚はむき出しになり、二人分の熱が布団の内......
単語の意味
身体(しんたい)
身体・・・人のからだ。肉体。
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愛する・愛情の表現・描写・類語(好きのカテゴリ)の一覧 ランダム5
驕慢な独占の玩弄物(がんろうぶつ)的な愛
瀬戸内 寂聴 / 愛すること―出家する前のわたし amazon
清らかな小川のように陽の光に美しく輝き、風に吹かれると無数の優しい小波(さざなみ)を立て《…略…》そうしたものをこそ、愛であると思い込んでいたのです。
井上 靖 / 猟銃「猟銃・闘牛 (新潮文庫)」に収録 amazon
魂の記憶に刻まれた遠いあこがれのように愛しい。
吉本 ばなな / 満月 キッチン2「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
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孤独・一人ぼっちの表現・描写・類語(寂しい・喪失感のカテゴリ)の一覧 ランダム5
商店街も、加代ちゃんと一緒に通り抜けたときはとても楽しかったのに、一人になると、途端につまらない場所に思えてきました。
湊 かなえ「花の鎖 (文春文庫)」に収録 amazon
ひどく心細い。すごくひとりぼっちな気がする。
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
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「好き」カテゴリからランダム5
僕の子供を産んでほしい、必ず産んでくれるね、懇願され抱きしめられると、それだけで十和子は、下腹に抱え込んだ臓器に暗い血潮が充ちてくるような、すでに何かがそこで育ちはじめているような熱感を覚えた。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
「恋愛」カテゴリからランダム5
(会えない二人)このほんの一月の些細な延期が、彼女に遠近法的な錯覚とでも言うべき不安を抱かせた。まっすぐに伸びた鉄道の線路は、彼方の消失点で結び合っているように見える。しかし、一駅経ても二駅経ても風景は同じであり、その平行する二本のレールは、当然のことながら決して交錯しない。現在から見て、いつか必ず一つになるように見えるその点は、いわば幻に過ぎなかった。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
有島武郎 / 或る女
唇を求めて体を寄せて来た。
阿刀田 高 / 捩れた夜「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録 amazon
彼と言葉を交わした瞬間、突然世間に色がついたので私はびっくりしていた。
吉本ばなな / うたかた「うたかた/サンクチュアリ」に収録 amazon
「寂しい・喪失感」カテゴリからランダム5
私は、まだこのひとと居たかった。このひとの持つ淋しさの層は、人類の歴史と同じくらい厚く、そこに吹く風は誰も振り向かなくなった墓石の上を渡って行くように寒々しかった。それでもそれが人間のもともと持っている淋しさによく似たエッセンスを持っているので、このひとと離れ難く、本当は淋しくて仕方ないのにないことにしてごまかした幾千もの夜の痛みが、一挙に吹き出してきた。そして、その洪水に押し流されないためには、このひとといるしかないように思えた。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
ちょうど朽ち腐れた土台の木に地面の 湿気 が自然に浸み込んで行くように、変な淋しさが今ジメジメと彼の心へ浸み込んで来るのをどうする事も出来なかった。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
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