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夜の闇があまりにも深くて、俺は少し怖くなった。周囲の山の影がのしかかってくる気がする。音だけを響かせる川が、霧ごとせりあがってくる気がする。
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 ページ位置:41% 作品を確認(amazon)
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夕闇
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......ンジ色の常夜灯と、家々の軒先からこぼれるわずかな光があるだけで、道はほとんど真っ暗だ。坂を少し下ると、水のにおいが強くなり、川音が静けさをいっそう際立たせた。 夜の闇があまりにも深くて、俺は少し怖くなった。周囲の山の影がのしかかってくる気がする。音だけを響かせる川が、霧ごとせりあがってくる気がする。「ほら」 とヨキが指さす。目をこらすと、かすかな明かりが浮かびあがった。薄黄緑の小さな光が、水田のうえを飛び交っている。「何度見ても、きれいなもんやなあ」 みき......
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