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綺麗な満月だ。じっと見つめていると、いかにもこの病室へ優しい使者たちによる迎えが来そうに思えるほどだった。
羽田 圭介 / スクラップ・アンド・ビルド ページ位置:79% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
月
室内からの外の眺め
病室
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前後の文章を含んだ引用
......なしくなり、用を済ませたらしき看護師もすぐ病室から去った。入れ歯を洗いながら健斗が窓の外に目を向けると、夜空に満月が見えた。北向きの部屋からは決して見られない、綺麗な満月だ。じっと見つめていると、いかにもこの病室へ優しい使者たちによる迎えが来そうに思えるほどだった。洗った入れ歯をケースにしまってもなお、健斗は月から目が離せない。月の光に心を奪われていると、不可能なことなどないように思えてくるのだった。人間はおよそ五〇年も前......
単語の意味
満月(まんげつ)
満月・・・月が地球から見て、太陽と正反対の方向にある瞬間。また、このときに月の前面がまんまるに輝いて見える現象。もしくは、このときの月の形。望(ぼう)。望月(ぼうげつ・もちづき)。盈月(えいげつ)。十五夜の月。⇔ 新月(しんげつ)。
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月の表現・描写・類語(空・中空のカテゴリ)の一覧 ランダム5
空には、月が顔を出していた。 どこかで、よよと、泣いている女の声を、上から傷ましがっているように。
吉川英治 / 雲霧閻魔帳
月が厚い雲の向こうにひそんで、真珠色の光沢を雲の遠い縁に与える
大江 健三郎 / 芽むしり仔撃ち amazon
まるでついさっき灰の山をくぐり抜けてきたみたいに全体が不思議な白みを帯びていた
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
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室内からの外の眺めの表現・描写・類語(室内のようすのカテゴリ)の一覧 ランダム5
窓枠に切り取られた薄い空が滲んでいる。
小川洋子 / 揚羽蝶が壊れる時「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
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病室の表現・描写・類語(室内のようすのカテゴリ)の一覧 ランダム5
飾りけも何もない板張りの病室
有島武郎 / 或る女
病室の中央には、十分に乾燥したシーツでたっぷりと包まれたベッドがあった。それは大きな白い動物がうずくまったように重そうだった。クリーム色の壁紙でおおわれた病室で、ベッドの白さがくっきりと浮かび上がっていた。いろいろなものが、その白く盛り上がったベッドを中心に配置されていた。普通の家の寝室やホテルのベッドと違って、それはもっと意味深いもののように思えた。ベッドの周りに病室があるような感じがした。
小川洋子 / 完璧な病室「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
妙に白っぽい病室の真っ白なベッド
あさの あつこ「ガールズ・ブルー (文春文庫)」に収録 amazon
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「空・中空」カテゴリからランダム5
窓からさしこんでくる月の光は様々な事物の影を長くのばし、まるで薄めた墨でも塗ったようにほんのりと淡く壁を染めていた
村上 春樹 / ノルウェイの森 上 amazon
灰色の雲が、神さまが置いた巨大な蓋のように頭上にかかっている。
新海 誠「小説 君の名は。 (角川文庫)」に収録 amazon
「室内のようす」カテゴリからランダム5
不意に、部屋の空気をかき混ぜるようにトイレのドアが開いて、誰かが出てくる気配がした。《…略…》空気の波がふわりとあたしの上を撫でていく。
朝井 リョウ / ひーちゃんは線香花火「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
自然の暴威をせき止めるために人間が苦心して創 り上げたこのみじめな家屋という領土がもろく小さく私の周囲にながめやられた。
有島武郎 / 生まれいずる悩み
後手でドアを閉めると風の音がぴたりと消えた。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
「病院」カテゴリからランダム5
白い天井ばかりを見ている日々が数日続く
山田太一「飛ぶ夢をしばらく見ない」に収録 amazon
動物の檻のように並んだ個室
安岡 章太郎 / 海辺の光景 amazon
病院の窓々にはうるんだ灯がともり、港にはいる満艦飾の船のように見えた
遠藤 周作 / 海と毒薬 amazon
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