海は黒くもりあがっていて、海のおそろしいまでな情熱が私をコウフンさせてしまった。
林芙美子 / 新版 放浪記 ページ位置:29% 作品を確認(青空文庫)
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夜の海
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前後の文章を含んだ引用
......たままぼんやり駅に立っていた。 「ここに宿屋がありますでしょうか?」 「この先の長者町までいらっしゃるとあります。」 私は日在浜 を一直線に歩いていた。十月の外房州の海は黒くもりあがっていて、海のおそろしいまでな情熱が私をコウフンさせてしまった。只海と空と砂浜ばかりだ。それもあたりは暮れそめている。この大自然を見ていると、なんと人間の力のちっぽけな事よと思うなり。遠くから、犬の吠える声がする。かすりの半 ......
単語の意味
情熱(じょうねつ)
情熱・・・感情が熱を持っている心理状態。燃え上がるような激しい感情。ある目標や物事に向かって忍耐強くいちずに打ち込むさま。また、そういう気持ち。熱情(ねつじょう)。
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夜の海の表現・描写・類語(水面・水中・水辺のカテゴリ)の一覧 ランダム5
海はつるつるに光って、まるで舞台のセットの上の1枚の黒い布が滑らかに揺れているみたいに見えた。微妙に違う色の空との継ぎ目も、いきいきとはためくパッチワークのように見えた。
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
海は、眠った町を守りするように、夜じゅう鳴りつづけていた。
阿川 弘之 / 夜の波音 amazon
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「水面・水中・水辺」カテゴリからランダム5
(真っ白に光る海は)まぶしすぎて銀のようにも金のようにも見えた。または光のかたまりのようにも。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
ところどころに船が湊泊する船溜り が膨らんだように川幅を拡 げている。
岡本かの子 / 河明り
午(ひる)近い海は、無数の飛魚(とびうお)が泳いでいるように、白い日光の下に耀(かがや)いた。
前田河広一郎 / 三等船室「現代日本文学大系 (59)」に収録 amazon
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