果実のようなふくらみを持った風 | 風の表現・描写・類語｜小説の言葉集

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果実のようなふくらみを持った風

村上春樹 / めくらやなぎと眠る女　作品を確認（amazon）

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遠くの樹に風が黒く渡る。と、やがて眼近い夾竹桃（きょうちくとう）は深い夜のなかで揺れはじめる

梶井基次郎 / ある心の風景関連カテ草木のざわめき夜風

風が急にマストを鳴らして吹いて行った。

小林多喜二 / 蟹工船関連カテ風はためく・翻る

闇の中の透明な断層を滑るように風は音もなく流れた。

村上春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録　amazon関連カテ暗い・闇風

けしかけるような風は、汚い煙突の煙を、みるみる白濛々の世界へ、襤褸屑（ぼろくず）をちぎって擲（たた）きつけるように飛ばして行った。

前田河広一郎 / 三等船室「現代日本文学大系 (59)」に収録　amazon関連カテ風けむり煙突

暗い街角には人がいない。秋風が一番の主役だ。道を曲がっても曲がっても同じ月光に照らされた淋しい夜だ。透明な空気の中で、時間が変なよどみ方をしている。

吉本ばなな / らせん「とかげ (新潮文庫)」に収録　amazon関連カテ秋風夜景・夜の眺め閑散・人気（ひとけ）がない

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西洋支那料理の赤い旗が、まるで私のように、ヘラヘラ風に膨らんでいる。

林芙美子 / 新版　放浪記関連カテ旗・国旗・日の丸はためく・翻る

窓が開いており、肌寒い十二月の夜気が室内に足を伸ばしてきている。

池井戸潤「下町ロケット (小学館文庫)」に収録　amazon関連カテ寒い・冷気・凍える隙間風・風が室内に入る

吹き始めた暴風は一秒ごとに募るばかり

有島武郎 / 生まれいずる悩み

風の音がいつもよりくっきりと聞こえた。たいして強い風でもないのに、それは不思議なくらい鮮かな軌跡を残して僕のまわりを吹き抜けていった。

村上春樹 / ノルウェイの森　amazon

吹き込む風が仕事場の木屑を舞い上げた。

宮本輝 / 螢川「螢川・泥の河（新潮文庫）」に収録　amazon

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