TOP > 風景表現 > 外の設備・工作物 > 夜景・夜の眺め
観覧車は老いた動物のようにかたかたと身体を揺すりながら、空に上り始める。まわりにひしめき合っていた雑多な見せ物小屋が、眼下に小さくなっていく。それにつれて町の灯火が夜の闇の中に浮かび上がっていく。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 ページ位置:68% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
夜景・夜の眺め
見下ろした風景
観覧車
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......終局に近づいているみたいに。 彼女が赤い箱の中に乗り込んで、ベンチに腰を下ろすと、さっきの老人がやってきてドアを閉め、外からロックする。たぶん安全のためだろう。観覧車は老いた動物のようにかたかたと身体を揺すりながら、空に上り始める。まわりにひしめき合っていた雑多な見せ物小屋が、眼下に小さくなっていく。それにつれて町の灯火が夜の闇の中に浮かび上がっていく。左手には湖が見える。湖に浮かんだ遊覧ボートにも照明がともって、湖面に優しく反映している。遠くの山肌には村々の明かりが散らばっている。その美しさは彼女の胸を静かに......
単語の意味
眼下(がんか)
身体(しんたい)
眼下・・・見下ろした辺り一面。
身体・・・人のからだ。肉体。
ここに意味を表示
夜景・夜の眺めの表現・描写・類語(外の設備・工作物のカテゴリ)の一覧 ランダム5
神社の狭い石段を登って行くと、遠く、線路や家々がシルエットになって見えた。巨大な夜。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
見下ろした風景の表現・描写・類語(地上・陸地のカテゴリ)の一覧 ランダム5
眼下にはF市の街が灰色の大きな獣のように 蹲 まっている。
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 amazon
遙か遙か下界に、八月の熱気でぼーっと、水色がかった真珠色に霞んだ地平が見晴せた。
宮本百合子 / 伸子
このカテゴリを全部見る
観覧車の表現・描写・類語(店・施設のカテゴリ)の一覧 ランダム5
観覧車は、遠くから眺めると、タンブラーの縁に掛けた輪切りのオレンジのようにも、角材に食い込んだ円盤形の電動ノコギリのようにも、見える。
重松 清「流星ワゴン (講談社文庫)」に収録 amazon
(閉園間際の観覧車)どの箱にも乗客の姿はない。たくさんの空っぽの箱が、くるくると無為に空中を回転しているだけだ。まるで世界そのものが尻すぼみの終局に近づいているみたいに。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
遊園地には大きな観覧車がある。ドアのついた色とりどりの箱が運命を思わせる大きな車輪に結びつけられ、時間をかけて空をまわっているのが見える。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
「地上・陸地」カテゴリからランダム5
のんびりとした感情を持ってうねっている優雅な曲線の丘
佐藤 春夫 / 田園の憂鬱 amazon
「外の設備・工作物」カテゴリからランダム5
(石段)石灰石の階段が夜の微光をのこらず集め、巨きな荘厳な瀑布のように白く懸かる
三島 由紀夫 / 潮騒 amazon
裸の電燈が細長い螺旋棒 をきりきり眼の中へ刺し込んでくる往来
梶井基次郎 / 檸檬
「店・施設」カテゴリからランダム5
同じカテゴリの表現一覧
地上・陸地 の表現の一覧
外の設備・工作物 の表現の一覧
店・施設 の表現の一覧
風景表現 大カテゴリ