無対流の空気の重さ

そのぴりぴりとした独特の空気に、まだ肌が慣れていない。

初年兵をつつむ班の意地悪な空気はストーブのまわりで、初年兵を取りおさえてやろうとするかのように眼を動かして、つったっている三年兵たちの方から吹きつける。初年兵はそれを感じとると、いよいよその空気のなかで射すくめられ、その手も足も、動かなくなってくる。

家の空気が鉛のように重苦しい

部屋いっぱいに張り裂けるような殺気が満ちる

空気が 葛湯くずゆ のように重たくなってくる。 　こういう時は、何かしゃべった方がいい。

面白くない

部屋（へや）は息気（いき）苦しいほどしんとなった。

空気はどことなくピリピリしていて、ちょっと力を入れて蹴とばしさえすれば大抵のものはあっけなく崩れ去りそうに思えた。

（会話を）なにか無理矢理中断したような、おさまりの悪い空気が残った。