私はこの人達から離れて暮したいと思う。一緒に暮していると、べとべとにくさってしまいそうだ。心のなかでは、何時でも気紛れな殺人を考えている。少しずつ犯人になった恐怖におそわれる。自分も死んでしまえばいいと思いながら、人間はこうした稀 れな心理のなかには仲々飛び込めないものだと思う。
林芙美子 / 新版 放浪記 ページ位置:98% 作品を確認(青空文庫)
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殺意
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......、何とも気持ちが悪い。からりと晴れた空。まるで、コオボウ大師を背中にしょってるような暑さなり。 夜、一銭なしで、義父上京。 広島も岡山も商売は不景気な由なり。 私はこの人達から離れて暮したいと思う。一緒に暮していると、べとべとにくさってしまいそうだ。心のなかでは、何時でも気紛れな殺人を考えている。少しずつ犯人になった恐怖におそわれる。自分も死んでしまえばいいと思いながら、人間はこうした稀 れな心理のなかには仲々飛び込めないものだと思う。穏かに暮してゆくには、日々の最少の糧がなくては生きてゆけない。頻繁 に心理的なしゃっくりになやまされる。考える果ては金が欲しい事だ。金さえあれば、単純な生き方が何......
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オレは、あの女を許さん。コバヤシは包丁にサラシを巻いた。部屋は妖気に満ちている。
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
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更衣室を覗かれた少年のように、かすかに顔を赤らめる
小池 真理子 / やさしい夜の殺意 amazon
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豚のように自分の吐いた汚物の中に顔を埋めて
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
牛河はその午後を、深い無力感に包まれて過ごした。その無力感にはかたちもなく重みもなかった。血液の動きが遅く鈍くなった。視野に淡い霞がかかり、手脚の関節が気怠く軋んだ
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
浮び始めた残虐な微笑は、静まった夜の中をひとり毒汁のように流れていた。
横光利一 / 日輪
顔がまるでくしゃくしゃの紙屑 のようになり
宮沢賢治 / 注文の多い料理店
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